アニメ138話のいじり

「・・・ワンダーワイスと言ったな。
立て。お前には、今度の作戦に参加してもらう。」

ウルキオラの呼びかけに、ワンダーワイスは顔をウルキオラの方に向けはしたが、特段の反応は無い。
誕生した当時の全裸の姿を隠すどころか、一切の羞恥心が無いようだった。
いや、それどころはウルキオラの言葉を理解しているかどうかも不明だった。

「耳が悪いわけではあるまい。
現世へ行く。早くお前も準備しろ。」
「は〜〜〜・・・・。」
しかし、ワンダーワイスの反応は鈍い。
何やらウルキオラの顔をじーっと眺めている。

『・・こいつ・・・俺の何を見ている?』
と、ウルキオラが思った瞬間、ワンダーワイスの姿が消えた。
「!」と思った次の瞬間にはワンダーワイスはウルキオラの目の前にいた。仮面の耳の部分を撫で撫でと珍しそうに触っている。
その瞬間、ウルキオラの手刀がワンダーワイスの体を貫くべく放たれた。本気だった。
そして、ワンダーワイスの体に穴があくと思われた瞬間、またワンダーワイスの姿が消えた。間合いをとったのだ。
何やらウルキオラからは不穏な気配が流れ出したが、ワンダーワイスの方はと言うと、先ほど触った仮面の感触を確かめるように、そして何故自分には同じようなものが無いんだろうとでもいうように、今度は自分自身の頭を触っている。
そこには戦いの前兆などまるで感じていないようだ。

「・・・貴様・・。」
ウルキオラをたばかっているにしては、あまりにも無邪気すぎる。破面にしては、あまりに未熟な態度だ。
自分の名は辛うじて言っていたが、その他は奇声を発するばかりだ。
だが、能力は十刃クラスである事は間違いない。ウルキオラの頭の仮面に気配も感じさせず触れたことからも、それは言える筈だ。

「・・・流石の君も、彼の扱いには困っているようだね。」
そこへ藍染が声をかけてきた。
「藍染様。この者、破面にしては、言語が遅れているようですが・・。脳に何か障害でもあるのでしょうか。」
「いいや、無い筈だが。」
「しかしこれでは藍染様のお役に立つとは思えませんが。」

「・・<今は>そうかもしれないね。」
「今は、と申されますと?」
「ワンダーワイスは生まれたばかりの子供だと思ってくれていい。
彼の脳はまっさらに近い。
だから、今は満足に会話することも出来ないだろうね。
ただ、経験を積むことにより、変わってくるだろう。

・・・彼の行動は予見出来ないだろう?」
「確かに。」
「興味を引かれたものに対しては、まさしく幼児と同じ行動をするはずだ。そこに危険や結果の予見は無い。だからこそ、行動を予測して動く者にとっては彼の行動は理解できないだろう。
ただ、一つ幼児と大きく違う点がある。」

「戦闘能力だけは、既に十刃クラスということですか。」
「そうだ。
幼児の思考と、十刃としての戦闘能力。
それを併せ持つのが今の彼だ。」

「了解しました。」
「もちろん、彼も連れて行ってくれて構わない。
君に一存しよう。」
「は。」
ならば、余計ワンダーワイスを今回の作戦につれていかなければならなくなったとウルキオラは思った。
どんな状況で、どんな行動をとるのか。
現世で一定時間ただ時間を稼ぐという役割にはうってつけの筈だ。
どんな戦闘をするかも見ておきたい。

・・もっとも・・ウルキオラだけは別行動になるので、直接は見れないのだが。

「とりあえずは、何か着ろ、ワンダーワイス。
流石にそのまま現世に連れて行く訳にはいかん。」
「あ〜〜〜、」
自分の裸の体をペタペタと触るワンダーワイス。

『流石に一人で着替えが出来んということはないだろうな。』

・・・こいつの世話はヤミーに任せよう。

あまり、係わりになりたくないと思ったウルキオラだった。


なんちゃって

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