アニメ148話のいじり

俺達は死神。
虚と戦い、秩序を保つのが使命だ。

少しでも虚を多くせん滅すべく、俺達は迷わず虚圏に降り立った。
現世に現れる強力な虚は虚圏から現れる。
ならば、巣である虚圏をつぶせばいい。

無茶は承知だ。
俺達はそれを承知の上で降り立った。

虚により奪われる魂を救いたい。
それが俺達の使命でもあり志でもあった。

・・そして・・・

・・志を同じくした仲間たちは、一人・・そしてまた一人と戦いに散り逝き・・・


・・・俺だけが遺された・・。

今や俺と語らう者は誰もいない。
日々の虚との戦いの成果を仲間たちの墓前で報告する日々。
いつ果てるともしれない闘いの日々。
そして押しつぶされそうなほどの孤独。

それでも俺が正気でいられるのは、並んだ仲間たちの墓を護るという新たに出来た使命があったからかもしれない。

虚圏に覚えのある霊圧を感じた時・・。
一瞬自分を疑った。

その霊圧は虚の霊圧ではない。
それは・・死神の・・・俺と同じ死神のものだった。
よもや・・こんなところまで死神が来るとは・・・。
ここはメノスの森。虚圏の最下層と言っていい。
こんなところまで、死神が落ちてくるとはいったい・・・。

霊圧を探れば、死神と思われるものは3名。他には別の霊圧が感じられた。
そのうちの一名は仲間とはぐれたのか、一人だった。
危険だ。メノスの森の恐ろしさをそいつは恐らく知らない。

見れば、女だった。
しかも死神というにはあまりにも華奢で小さい。

あれでは、すぐにやられてしまう。
助けに入った俺に驚いていたようだが、そんなことはどうでもいいことだ。
俺はもう目の前で死神が死ぬ姿を見たくはない。
これ以上の墓守はごめんだ。

その女死神は俺のことをしきりに聞いてくる。
「お前は誰だ。」「なぜ此処にいる。」

俺はわざとなかなか答えない。
別に意地悪をしているつもりはなかった。

ただ・・俺以外の死神の声をもっと聞いていたかった。
仲間に聞かせたかったと、その女死神には言っておいたが、本当は俺自身が聞いていたかった。

聞けば虚夜宮へ仲間を助けにいくという。
さすがに驚きを通り越して呆れたものだ。

・・・・俺達よりも無茶をする死神がいるとはな。

仲間とはぐれているようだ。
早く合流してここから帰してやらなければ。
こんなところに、居るべきではないからな。

そこまでは決めるまででもない。
そして、俺は心のどこかの声を封じ込める。

『・・・その女を帰して・・・また一人になるつもりか?

・・・また永劫とも思える孤独の中で生きるつもりか・・?

・・・また仲間たちと共に闘う日に戻りたくはないのか・・?』

・・・答えなどない。

・・・余計なことだ。


・・・考えるな。どうせ、答えなどでないのだから。


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