ある日の衝動(朽木白哉)
兄様の自制心は鉄壁だ。
だが・・・時には抑えがたい衝動に駆られることも在る。
ある下らぬ相談所の翌日のこと。
その日の兄様は、朝起きたときから決めていたことが在る。
今日は、昼食は外で食そう、と。
・・・その日の兄様は・・・・
兄様印のMYタバスコを、思いっきり振りたい衝動に駆られていた。
どれくらい振りたいかというと、兄様得意の「散れ・・。」ではなく、下品に「ぶっかけたい!!」と表現するのがふさわしいかと思われる。
タバスコを振るには何がいいだろうか。
アラビアータがいい。アラビアータとはトマト味の唐辛子の入った辛いパスタのことだ。
別名、「怒り顔のパスタ」などとも言われている。
しかもペンネがよいだろう。
あのペンネという代物・・・どうも牽星管を思い起こさせる。
貴族の兄様にはふさわしい。
それに辛いトマトソースを絡めたアラビアータにさらに思いっきりタバスコを振る。
考えただけで、具合が悪くなりそうな・・・イヤ・・兄様にとってはたまらない衝動であった。
その日の六番隊は忙しかった。
いつもなら恋次に供をさせるのだが、副隊長と隊長が同時に抜ける時間を作るのは適切ではないと考えた兄様は、昼の時間が来ると、あっさり恋次にこういった。
「私は先に昼を取る。お前は私が帰って取るように。」
「・・はい。」
ちょっぴり羨ましそうな顔をする恋次などは無視だ。
所詮、恋次は兄様の副官。
副官は兄様の言うことに従っていればいい。←超高飛車(笑)
MYタバスコを兄様自ら持ち歩くような、下品な真似は決してなさらない兄様。
隊舎を出たところで爺が待っておりました。
「・・待たせたな。では行くぞ。」
「かしこまりました、白哉様。」←当然、爺は調味料係。ああ・・・もういい年なのに・・。
行く先は決まっている。
行きつけの、超高級イタリアンレストランだ。
ザッ!!
BLEACHお決まりの効果音その1と供にその店の前に到着した兄様。
しかし・・・。
そこでは、兄様の予想外の事態が起きていた・・・。
「本日定休日」
その店は・・・月曜日は休みだったのである・・・。
無表情ながらも頭の中でタバスコを振りまくるシュミレーションを散々してきた兄様・・・。
朝から楽しみにしてきた兄様・・・・。
ドドドドドドド・・・・!!!←注)お約束効果音その2
ああ〜〜!!霊圧がアラビアータに〜〜〜!!!←注)怒りん坊の意味
このまま、すごすごとお帰りになられるのか?!!
正しく「莫迦な!!」
「・・・爺。携帯電話を貸せ。」
「はい。こちらに。」←爺、必携七つ道具の1つ。
おもむろにどこかに電話を始める。
ちなみに兄様はご聡明でらっしゃるので、一度かけた電話番号は全てお覚えになっている。
「・・・ああ。朽木だ。
実は今、店の前にいる。
今すぐ開けろ。・・・・5分以内だ。」
兄様こそ、そんな莫迦な!!!(笑)
電話の向こうでは、定休日なのでと断る話が出ている模様だ。
「・・・2度は言わぬ・・。←あくまで高飛車。
今日の支払いは、定価の500倍でよい。
よいな・・。5分以内だ。」
500倍?!!
アラビアータがいくらかは分からんが、現世で1800円として、500倍としたら90万円だピョン!!
電話口の声が、途端に大きくなったぞ〜〜〜!!!
そして・・・5分後・・。
店の扉は開かれた。
出てきたのは、まだ身支度が整ってない、店の主人だ。
店内の電気すらつけるヒマはなかったらしい(笑)。
・・・そして・・・・
それから30分後・・・。
出来上がったアラビアータに、MYタバスコを振る兄様がいた。
・・・当然例のビンは逆さになっている。(笑)
霊圧はもはやアラビアータではないらしい・・・。
朝からの衝動を満たした兄様・・・。
その後、無表情ながらも機嫌よく、次に昼飯を取るべく待っている恋次と交代したらしい。
なんちゃって。