バウンド・レス(兄様お笑いバージョン)

・・・ごく一部の限られたものにしか身につけることが出来ないものがある。



その中の一つが・・「牽星管(けんせいかん)」と言われるものだ。
別名「ちくわ」。

・・・恐らくBLEACHファンの間では最早共通語となっているに違いない。

この髪飾りは、上流貴族の証である。
そしてその素材はホンモノの練り製品だ。

・・・普通は恥ずかしくて付けられない。
・・・イヤ・・・それを敢えて身につけるところに貴族の気概がみえるのかもしれない・・。


またその本数が増えるほど、位が上であることを指し示す。
朽木家第二十八代当主である、兄様が身につけるのは計5本。

・・・うわ・・・頭にちくわが5本かよ・・。
マジで恥ずかしくて、普通は歩けねえ・・。

・・いや・・この気概こそが、正一位にふさわしいのかも知れぬ・・。

練り製品なので、当然頻繁に付け替えねばならぬ。
そうしなければ腐るからだ。
5本も頭に乗っけているのだ。当然毎日付け替えねばなるまい。



ここは、上級貴族御用達のちくわ専門店。
今日も頭のちくわを付け替える貴族たちで賑わっているようだ。

しかし、兄様はなんせ、正一位。
順番を待つなんてことはない。
列を飛ばして最前列に行ける特権があるからだ。

当然ちくわが出来上がるまでの個室も用意されている。
個室にはショーケースがある。
そして中には珍しいものが色々と展示されていた。

普段は目にも止めぬ兄様だが、ある品に目を奪われた。
白い櫛だ。

ちくわ店に櫛・・・。

席を立ち、思わず見入る兄様。

透き通るほどに白い櫛だ。

なんとその櫛は・・・スルメで出来ているようだった・・。
スルメで杯というのはたまに見るが、櫛で、しかもこれほど白いスルメは白哉は見たことがない。

『・・・見事なものだ。
このように白いスルメがあろうとは・・・。

そして、スルメをここまで細工するとは・・。』←(そういう問題?)


これを見れば、緋真はなんというだろうか・・。←(イヤ・・きっとナンも言えんと思うけど・・)

この珍しい櫛を緋真に見せてやりたくなった兄様。

早速、茶を替えに入ってきた店の主人の奥方に購入の旨を伝えます。

「贈答用に包みますか?」との問いに、そのままで良いと答えた兄様。

紫の袱紗に包んで、渡されました。
その際女主人からアドバイスを受けました。


「その櫛の保管方法ですが・・。」
「なんだ。」
「風通しのよい、直射日光を避けたあまり高温にならないところにお願い申し上げます。
品質の劣化が起きますゆえ。」

そりゃ、そうだ。
スルメだもんねえ。


「分かった。・・・ではこれで。」

支払いに出したのは、利用限度額無しのブラックのクレジットカードだ。



代金が幾らなのかも聞かぬ。
幾らであろうが、払えるからだ。





白スルメの櫛。代金120万環。←注)白鼈甲の櫛よりも高い
                   


紫の袱紗。 奥方のサービス。





・・・・そして・・・




好きな女の子にスルメの櫛をプレゼントする兄様の常識。 バウンド・レス(限界がない、という意)。



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