びゃっくん、虚圏へ出撃せよ!

・・・ルキアが、虚圏に旅立ち暫しの時間が経過していた。
あの旅禍たちに深く恩を感じているルキアが、井上織姫を救出するべく、虚圏になんとしてでも行くだろうとは、びゃっくんは予想はしていた。

<・・本当のところは行かせたくはないのだが・・。
虚圏は危険な地だ。まだ未熟な”あれ”を行かせて無事帰ってくるとは思えぬ。
・・しかし・・・・>

だからと言って、妹ルキアの思い悩む姿を見るのもこれまた辛い。
それで、番犬代わりに恋次をつけた。
恋次をつければ十分とは思ってはいないが、力不足ながらも”あれ”を護ろうと必死にはなるだろう。能力はまだまだだが、幸い頑丈な男だ。盾代わりにはなるだろう。

そう思ったからである。←びゃっくんもヒドイな〜〜(笑)。
しかし、行かせたものの、心配なのは当然変わらないもので。
びゃっくんは空に浮かぶ月を眺めて、密かに案ずる毎日であった。

しかし・・・。
待ちわびていた日がやってきた。
浦原喜助が黒腔が安定したというのだ。
当初、3か月かかると言われていた工程を1か月で仕上げると言った浦原。
その1か月を切って仕事を仕上げて来たのだから、賞賛すべきなのだろうが、正直びゃっくんからすれば「・・遅い。」とまだまだ文句をつけたいところだった。

隊長格が黒腔安定化まで動けなかったのにはわけがある。
一時的に黒腔を開いて虚圏に行けたとしても、戻ってくる際、黒腔が開いていなければ帰れないもんね。退路が確保できなければ攻め込まない。
これも、兵法の常道。

さて、黒腔が安定したというので、また隊長が山じいの所へ集められた。
山じいからは拉致された井上織姫の能力を浦原の所見で告げられた。
そして、藍染に利用されては不利だという話も。

けど、びゃっくんには井上織姫とか言う巨乳の能力なんてどうだってよかった。

「そこでじゃ。
井上織姫の能力をあちらの手に渡さぬよう、井上織姫を奪還することとする。
その際、虚圏に潜入して居るバカものどもも一緒に連れ帰るのじゃ。」

山じいの話の下線部の所が大事だったのだ。もっそい大事な所だ。テストに出る。←?

「俺が行く。大体俺以上の適任なんざ無ぇだろうが。」
自信満々に言ったのは更木剣八。確かに血に飢えたこの男に虚圏は似つかわしいと言えるかも知れぬ。

だが、そんなの関係ない。びゃっくには全く関係ない。

「私も行こうじゃないかネ!」涅マユリも手を挙げた。
「ああ?なんでてめえが、来んだよ。」更木は厭そうだ。
「破面の事はまだよく分かっていないからネ。
私も行って少し破面のデータを取っておきたいんだヨ。サンプルも欲しいところだしネ。
どの道これから戦う相手なんだからネ。情報は多いほどいい。」

「私も参りましょう。」卯ノ花烈が静かに言い出る。
これには皆驚いた。
「・・虚圏は危険な場所です。皆少なからず傷ついていることでしょう。
更木隊長、涅隊長は、ご自分の任務をご存分に果たされてくださいませ。私はお邪魔をする意思はありません。
ただ、皆の傷を癒して差し上げたい。・・よろしいかしら?」
穏やかながらも、嫌とは言えないのが卯ノ花という女の恐ろしいところだ。

「ふむ、では更木隊長、涅隊長、卯ノ花隊長、以上3名で・・。」と山じいが言いかけた所にびゃっくん!!出番だ!!

「・・私も行こう。」出た!!このタイミング!!びゃっくんにしか許されないタイミングだ!(笑)

「ほう、おぬしもか?朽木隊長。」
「命に背いて虚圏に行った恋次は私の副官。そしてルキアは私の妹だ。
私が行く責務があろう。」

「何だ?朽木。俺の分け前減るだろうが。邪魔すんなよ。」斬る数を減らされると思った更木は不満げだ。
「兄の邪魔をするつもりは無い。あやつらを引き取りに行くだけだ。
現在、虚圏に居る死神と人間は総勢6名。連れ帰るには兄の二本の腕ではちと多かろう。」

「あ!あたしもいるけどねー?!」背中からズボッと出てきたのはやちるだ。
「・・・・・・お前は更木の背中に貼りついていればよい。」
「うん!分かった!」←速攻で納得かい!

「よし分かった。では朽木隊長を含めた4名の隊長で虚圏に潜入することとする!
準備が出来次第、出撃じゃ!」


・・そして・・・
黒腔を抜けたその先には・・真白の世界が待っていた。
誰よりも素早く霊圧探知で居場所を探知したびゃっくん。

「・・どうやら・・分かれて戦っているようですね。皆傷ついているようですが・・・早く行って差し上げないと・・。」卯ノ花も探査したようだ。

「ええと?その井上とか言う女はどっちなんだ?」と相変わらず霊圧探知が苦手な更木を尻目に、びゃっくん瞬歩を開始!!!(笑)無論、ルキアの所だ。

「・・ちっ。何が邪魔しねえだ。」
「ホホホホ・・・朽木隊長は井上さんの所へは行っておられませんよ。井上さんはあちらのほうですね。黒崎一護さんもいらっしゃるようです。2体を相手に交戦中で苦戦されておられるようですから、出番では?」
「2体か!そりゃいいや!じゃ、行くぜ?」

「あ!待ちたまえヨ!十刃は私のものだヨ!持って帰って研究するんだからネ!」
「知るか、そんなもん。じゃあな。」
「ホホホ・・・。阿散井副隊長と滅却師の少年が戦っているのはどうやら十刃のようです。まずはそちらを確保されてはいかがかしら?
私は、もう一人の旅禍の少年を助けることにいたしましょう。」
「・・フン、仕方無いネ!」

一方、瞬歩で移動するびゃっくんはこの上なく不機嫌だった。
霊圧で、ルキアがかなりの危険な状態にあるのが分かる。
しかも、番犬につけた筈の恋次の霊圧は共に倒れているのならまだ分かるが、他の所にある。しかも滅却師と一緒だ。霊圧からして、かなりのダメージを受けていることは分かるが、ルキアの比ではない。

ルキアにつけた筈の恋次が、他の人間と行動を共にしているなど・・。しかもルキアの方が重傷とは何事か。

「・・・許せぬ。・・あやつめ。」

沸々と怒りは湧いて出るが、今はそんな事を言っている場合ではない。十刃と思われる破面がルキアに近寄ろうとしているのだ。

・・そして・・なんとか間に合った〜〜!!!(笑)
残る冷気に、ルキアが壮絶な死闘を繰り広げたのが分かる。
目を開けたまま、動かないルキア。相当危険な状態だ。

傷つきながらも、体を引きずってでも自ら進もうとした跡があった。
ルキアの信念が伝わってきた。なんとしてでも井上を助けるつもりだったのだろう。

「何者です?貴方は。」

『何者です・だと・・?ルキアをこのような目に合わせる者どもに名乗る名などない。』←びゃっくんの心の声。

「その羽織。隊長格とお見受けする。
私は第7十刃、ゾマリ・ルルー。
さあ、名乗りなさい、侵入者。」

『・・・自らが名乗れば私が名乗るとでも思ったか。

・・下賤な者に聞かせる名などない。私に名を聞くなど、うぬぼれも甚だしいぞ、破面。』

「答えるまでも無い。我等の正体は一つ。兄等の敵だ。」
「成程。」

「・・私も一つ兄に問いたい。
あれと戦ったのは兄か。」

相当の怒りにかられていたびゃっくんは、ルキアのそう遠くない所に転がっている筈のアーロニーロに目がいかないらしい。(笑)
見れば分かるから!誰と戦ったって言うのは、アーロニーロの方見れば分かるから!!
って、そんなの見えてねえ!てか、そんなの関係ねえ!

『いや・・・私と戦ったのかって、もう一つ転がってる死体見れば分かると思うのだが・・まあいいだろう。』
「・・私ではない。だが・・・
止めはこれから私が差すところだ。」
『名前も名乗れぬとは、不作法な男だ・・せいぜい怒るがいい。』

この言葉にカチーン!!!
『戦ってもおらぬのに、止めだけ刺すだと・・・?
ルキアと戦ってもおらぬのに、止めだけ刺すだと・・・?』


「そうか。」

『・・貴様・・・刀のサビにしてくれる。』


戦闘シークエンス、スタート。「ルキア」非常事態のため、プロセスC-30からL-21まで省略。
主動力、オンライン。

斬魄刀システム、オンライン。FCS、コンタクト。「斬魄刀解放」チェンバー及び「鬼道」ペレットディスペンサー、
アイドリング、正常。

霊圧衝撃ダンパー、最大出力でホールド。

主動力、コンタクト

霊圧、異常なし。「千本桜」全システム、オンライン。「びゃっくん」発進準備完了!

「掟モード」閉鎖。総員、ツンデレの衝撃及び突発的な「シスコンの虚化」に備えよ。
前進全速。「怒りのびゃっくん」、発進!


「・・・朽木白哉・・参る・・。」


びゃっくん、いきまーす!!ってガンダムかい!!!




なんちゃって。

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