ぐれた理由(グリムジョー・ジャガージャク)

・・・・グリムジョーがアジューカスであった頃。
同じアジューカスの中でもグリムジョーは小柄な方だった。←人型の今は違うけど(笑)。


その頃は毎日が弱肉強食、まさしく喰うか喰われるかのサバイバルだ。
ギリアンが進化したアジューカス。
しかし、ギリアンへ退化を防ぐために同属の虚を喰い続けなければならない業を背負っている。

一般的に強さと大きさは比例すると考えられているが、メノスに至った者たちにはこの常識は通じない。
メノスは、その強さは大きさにあるのではない。


・・・小ささにあるのである。←多分(オイ)

進化すればするほど、その肉体は小さくなっていく。
そして最終的に、メノスの最上位ヴァストローデは人間と同じ程度。
山のようだったギリアンからたどりつく先の姿である。


その頃のグリムジョーの姿はまさしく甲殻で作られた豹のような形状をしていた。
大きさはオスのライオンよりも一回り大きい程度だ。

それでも、ただのギリアンから見れば、指先ほどに見えただろう。
メノスにとって小ささは強さを表すと分かっていても、明らかに小さな姿を見れば、自分よりも弱いと思ってしまうのは、性なのかも知れない。
グリムジョーは見ればインネンをつけられる存在だった。

「何だァ?このチビ。ホントにアジューカスかよ。
ひとつ喰ってみるか。」
「ちっせえネコだな。ペットとして飼ってやってもいいぜ?
ま、飽きたら喰うけどな。」

大体は彼を見るとこう言う反応をしたものだ。
中にはもっと強烈な反応もある。

「キャ〜〜!!!にゃんこ!!可愛い〜〜!!
食べちゃいたいくらい!!やっぱ食べちゃおv」←?

「ハアハア!!その可愛い肉球をぷにぷに触らせてごらん?
その後で美味しく食べて上げるからね」←??

「虚でネコ耳〜!!!ゴロゴロ言わせて食べちゃお〜〜!!」←???

・・・無論そんな事を言ったものはすべてグリムジョーの腹の中に収まっている。
ちなみに、あまり美味しい存在ではないし、ちょっと胃がもたれるらしい。(笑)
しかし、自分に暴言を吐いた奴を放っておけるほどグリムジョーは大人ではない。
気に入らない奴はぶっつぶす。これが基本なのである。

意外にもグリムジョーはこの頃、どちらかというと無口だった。
なんせ、会話をしようにも相手が居ないからだ。
話しかけてくる奴らは「小さい」か「可愛い」かしか言わないムカツク奴らである。
話す前にガブリとやっていたためだった。

会うメノスは皆、自分をナメた眼で見てくる。
小さいから弱いだろう。
可愛いから弱いだろう。とタカをくくって。

『・・・ナメんじゃねえ。

誰がてめえらより弱いだ?あァ?』
ガブリとやりつつ、思うグリムジョーだった。

いつか、誰にもそんなナメた眼で見られないような強い存在になりたい。

そんな時に藍染に会った。
藍染はそれまで自分が見られていた次元とは違う次元で、グリムジョーをナメた眼で見ていた。何時もなら当然ガブリとやる所だ。

しかし、藍染は「破面化」という強さを求める者なら、誰もが食いつきたくなるような餌をグリムジョーの眼の前でふらふらと振って見せてきた。この餌が欲しいなら、仲間にならないか?と言うわけだ。

破面となれば、退化の恐怖から逃れることが出来る。
そして何よりも今よりも格段の力を手に入れることになる。
シャウロン達、彼のしもべ達は破面化を受け入れるべきだと強く主張していた。

一見穏やかだが底冷えのするような冷えた眼差しがグリムジョーに向けられている。
藍染の眼はグリムジョーが受け入れることを確信していた。
確かに強さを求める者なら誰もが食いつくだろう。
藍染の背後にある胡散臭さを感じながらもだ。

・・気に入らなかった。
はるか高いところから見下ろしてくるような藍染の目が。

しかし、既に破面化を受け入れたアジューカスは複数にのぼるらしい。
他の奴らに先を越される訳にはいかない。

そして、グリムジョーは餌に食いつくことを承諾した。

破面化してみると、グリムジョーはNo.6の数字を与えられた。
彼よりも5体も強い破面がいるとされたのである。
グリムジョーは気に入らなかった。
自分よりも上がいることが。そして、十刃の中には自分にまったく関心を払わない奴がいる事にも。
シャウロン達に「我等の王となれ」と言われたグリムジョーは、ここでは唯の十刃の一人でしかなかったのである。

・・・気に入らなかった。何もかも。
グリムジョーはあからさまに、反抗的な態度をとる様になった。
そして、早くこんな所から抜け出して、強くなりたいと思っていた。

『・・・・・気に入らねえ。

・・・何もかもが気に入らねえ。

この俺が、No.6ってのも、唯の野良犬みてえに俺の事を見るウルキオラも、俺が気に入らねえだけで御託ならべやがる東仙も、みんなみんな気に入らねえ!!

・・・ぶっつぶしてやる・・・。

・・・一人残らずぶっつぶしてやる!

・・・最後はてめえもだぜ?


・・・藍染・・・!!!』



シャウロンたちは自らの王、グリムジョーが破面になって明らかにガラが悪くなったと思っていた。
しかし、より強くのし上がる気勢を強くした王の様子を見て、いたしかたないと思ったようである。






なんちゃって。


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