ハーレム・ペスキス(藍染惣右介)
・・・絶望の地、虚圏。
そこには巨大な白亜の宮殿がそびえ立つ。
そして、その宮殿、虚夜宮(ラス・ノーチェス)の主であり、また其処に住まう数多の虚の頂点に立つ者・・・それが藍染惣右介だ。
・・・藍染惣右介。
元、護廷十三隊、五番隊隊長。
玉座に座る彼は、もはや昔の面影はない。
高い鼻梁、整った眉。肉厚の唇は酷薄な笑みを浮かべる。
茶色の瞳は一目向けられるだけでも、身が竦むほどの眼力だ。
撫で付けられた癖のある栗色の髪。
知性を現す広い額には一筋のこぼれ落ちる髪がかかる。
計算されつくした彼に、無意味なものなどない。
・・無論、その前髪も例外ではないのだ。
藍染は虚夜宮において完全な実力主義をとっている。
他の数字持ちの破面を従えるという、特別な権限を許された破面たち、「十刃」。
彼ら、十刃の体に刻印された1から10の数字は、絶対的なものではない。
崩玉により生み出された、新たなる破面がそれまでの十刃よりも殺傷能力が高いと判断されれば、容赦なく体の刻印は剥ぎ取られ、十刃の地位を落とされる。
藍染にとって、今の段階はただの通過点でしかない。
より高みへ。そして十刃もより強力な集団へ。
最強の十刃をそろえることは一つの手段の一つであり、今はその通過点なのだ。
無論、優秀な同胞となるべき存在を彼は常に捜している。
霊圧を探る際、破面たちが使う探査能力をペスキスと言う。
当然同様の能力を藍染は持つ。
・・いや、彼らの頂点に立つ藍染だ。その能力も十刃と同じであるはずがないのだ・・・。
藍染が、同胞として迎えるにふさわしい者を発見した時に・・ある<ペスキス機関>が<反応>する。
それが・・例の前髪なのだ・・・。
同胞候補が強力かつ優秀であればあるほど・・・彼の前髪が・・・<伸びる>。←キャ〜!
そして、その前髪はその同胞候補が彼の仲間になって初めて・・・<縮む>・・。←それはイヤかも。(笑)
つまり、彼の前髪が伸びるとき・・それは新たな同胞を補足した時なのだ・・。
現世から戻ったウルキオラの報告。
藍染は、本来目的ではなかった部分に注目していた。
治療の術を使う人間の娘だ。
その娘は、死神が使う治療術とは全く違った能力を持って、仲間の治療を施していた。
ヤミーもウルキオラもその特異さを認識していながらも、その本質を見抜いていない。
ウルキオラはどうやら、その能力を「空間回帰」もしくは「時間回帰」と考えているようだが・・・それは違う。
これは・・・「事象の拒絶」だ。
実際に起きてしまった事象を「拒絶」することにより、起こらなかったことにしてしまう驚異の能力だ。
神の領域をも侵す能力。
それをこの人間の娘が持っている。
「・・・面白い能力だ・・・女。」
何故この女がそんな能力を持っているかは、今の所問題ではない。
この特異な能力をもった女が存在すると言う事が重要なのだ。
まさしく同胞に迎えるにふさわしいではないか。
(この時、藍染の前髪が2センチほど伸びる)
「事象の拒絶」能力・・有用性は限りない。
(また前髪が2センチほど伸びたらしい)(笑)
しかも小娘だ。見る限り芯は強そうだがどうにでもなる。ある意味扱いやすい存在だ。
(さらに1センチ伸びる)
おまけに巨乳。
(藍染は守備範囲が広いのでここは0.5センチほどにとどまる。)
とどめは女子高生。
(3センチさらに延長。←女子高生ブランドは、どうやら惣さまにも効くらしい)(爆笑)
伸びた前髪は口元を通り過ぎんばかりの勢いだ。
超優良物件の証しである。
藍染はウルキオラを呼んだ。
無論、井上織姫を虚夜宮に連れてくるべく話をするためだ。
ウルキオラは、藍染の伸びた前髪を見て、無表情にも己に下された命の重大さを知ったという。
「・・これは・・慎重に事を進める必要がありそうだな・・。」
拉致することは簡単だ。
しかし、ただ連れてきても反抗的な態度をとられたのでは意味がない。
藍染のために、自らの全てを投げ打つ覚悟を植え付けねばならない。
虚夜宮は言わば、藍染のハーレムに等しい。
あの藍染の前髪の長さに応えられるような、ハーレムの一員にしなければならないのだ。
その頃、藍染は新たなる同胞の加入に向け、今後の作戦と新入りになるだろう彼女の為の新たな衣装を思案中だった。
当然、完全な計算に基づいている。
「・・・やはり、折角の豊かな胸を強調するような物がふさわしいだろう。」←単にエロオヤジ?
藍染のハーレム・ペスキスは伸びたものの、未だ縮む気配は無いようだ。
・・・虚夜宮に新たな同胞が正式に入らぬ限り・・・
・・・そして同胞の衣装を身につけない限り。
ハーレム・ペスキスは縮むことはない。
なんちゃって。