Trick or treat 〜虚圏のハロウィン〜

・・ハロウィン (Halloween) 。

カトリックの諸聖人の日(万聖節)の前晩(10月31日)に行われる、英語圏の伝統行事。諸聖人の日の旧称"All Hallows"のeve(前夜祭)であることから、Halloweenと呼ばれるようになった。

と言っても、もともとはイギリスの先住民族ケルト人の風習だったのだそうな。
ケルト人の収穫感謝祭がカトリックに取り入れられたものとされているらしい。
なんでもケルト人の1年の終りは10月31日で、この夜は死者の霊が家族を訪ねたり、精霊や魔女が出てくると信じられていた。これらから身を守る為に仮面を被り、魔除けの焚き火を焚いていたらしい。
なんだかエンヤの音楽が聞こえてきそうだ。

・・ま、ともあれ当時のカトリック教徒にとっては、ケルト人をカトリックに改宗させるために、ケルト人にとって重要な日である10月31日を取り入れざるをえなかったわけだ。


・・さて、全くそんな宗教観も何も関係ないが、ハロウィンのお祭りだけちゃっかり取り入れて娯楽にしてしまおうというのが、娯楽が少ない虚圏である。

やることはおんなじだ。
十刃だろうがなんだろうが、チョイと変装して回るわけである。
変装と言っても彼らが刀剣解放すればそのまんま変装となるので(←オイ)、準備はあまり要らない。


そこで、ちょっと様子を覗いてみよう。

「くそ・・!何も見えねえし、どうしろっつうんだよ!」
毒づくのはヤミーだ。
彼は、東仙要が作ったお菓子探し<特別パビリオン>に居た。
このパビリオン、なんと視覚、聴覚、嗅覚はおろか霊圧感知能力も使えないという実にステキなパビリオンだ。
名を「閻魔蟋蟀」という。

巨大なこのパビリオンに隠されているのは、たった一袋のクッキーのみ。ちなみにこのクッキーも東仙の手作りだ。
無論、視覚も聴覚も使えないので、お菓子を手に入れるためには、手探りで探すしかない。
面倒くさがりで、短気なヤミー。
直ぐに飽きてしまった。←注)5分経過

「おい、東仙統括官さんよう!」彼は暗闇に向って叫ぶ。
『・・・何だ、ヤミー。』直接、東仙が頭に話しかけてくる。
「菓子はいいから、もう出してくんねえか?オレ飽きちまったぜ。」
『・・・・・・・・・・・・。←軽くイライラ指数上昇中(笑)

・・ダメだ。』
すげなく却下されたヤミー。尚も食い下がる。
「いいじゃねえかよ。ただの下らねえイベントだろ?下らねえ菓子←(注)東仙作)の為にこんなもんやってらんねえって!」

『・・・私は・・・その・・・貴様の無神経さが許せないのだ!!!
貴様に足らないのは忍耐力だ!いいか!見つけるまではそこからは出さん!
見つかるまで、その中で反省していろ!!!』

怒号が飛び交う閻魔蟋蟀パビリオン。
「・・ちっ、めんどくせえな。」というヤミーの呟きが東仙の怒りをさらに助長した事は想像に難くないだろう。


今年は基本的に従属官が菓子を渡す役目であり、十刃はお菓子を集めて回る役のようである。

「さあ、僕のソソられる素適なお菓子は如何かな?
僕の作ったものを食べられるなんて、君たちは幸せだよ。」
十刃なのにお菓子をノリノリで自ら配っているのは、紅白仕様のザエルアポロ・グランツ。
ザエルアポロはこういう時、実に気前が良くなる。
虚圏最高の研究者を自他ともに認める彼が作る菓子がただものであるはずがない。

録霊虫入りのチョコレート。従属官入りのキャンディー。訳の分らん汁いりのクッキー。
一口食べれば、録霊虫にもれなく寄生されるという、実にありがたくないものである。
ちなみに、ちゃんと入れ物はあげる本人を模した人形となっている。←いらねえ〜〜。

「よこしな。でねーとテメーを・・穴アキにしてやるぜ?」←お約束
無論、こんな事を言って回るのはグリムジョー・ジャガージャック、ヤンキーバージョンだ。
ちなみに解放した姿だと、「でねーとテメーに・・・ジャガーパンチだぜ?←素直にネコパンチと言え。」となる。


「・・・・Trick or treat 。←ひねりなしかい!」
愛想も何も、全然楽しくも何ともないけど言われたから真面目に回ってますというスメルがプンプンなのはウルキオラだ。
解放した姿はまだヒ・ミ・ツv(笑)
「treatって言っても何すんのさ!」とからかい交じりにハリベルの従属官に言われたウルキオラ。「・・どうもしない。お前を殺すだけだ。」と見事なtreatをかましたらしい。

「な〜〜に俺以外の奴に菓子なんて配ってんだ!誰が配っていいと言った!」
ボグッ!←殴りつける音。
「・・も・・申し訳ありません。」←もはや言い訳すらなし。
訳の分らないSMの世界を作り上げているのは、当然ノイトラとテスラだ。もう、この関係はこの二人にしか理解できぬ境地にある。

「菓子を渡せ。でなければ白インナー着用だ。」
男性のみならず女性の一部までも震えあがりそうな脅し文句なのは、我等が下乳クイーンのハリベルだ。
今日も下乳は顕在。重力と戦い続ける下乳である。

普通に解放してしまうと、デカ過ぎて動けないアーロニーロは今日もお気に入りのイケメン死神で闊歩中。
「ハイ。オ菓子チョウダイ?デナイト、ホントノ顔ニ戻ッチャウヨ?」
右手には懐中電灯が握られている。無論一部のファンを除けば普通に菓子を渡してくれる。

そして、一番このイベントを楽しんでいるのは・・・
「菓子くれへん?でないとイタズラしてまうで?あ、でもボクはくれても悪戯してまうけど。」
覗きとイタズラが現在本業のようなものなので、今日も絶好調のようだ。
「あ、グリムジョーやないの。No.6復帰おめでとさん。」
機嫌よく話しかけられた方は、如何にもイヤそうな顔だ。
「・・どうも。」
「なんや。グリムジョー。豹王の仮装してるん?可愛いけどなんやイマイチやねえ。」
ご自慢の姿をけなされて、黙っているグリムジョーではありません。
無論、メンチはきりまくり。

「何が言いてえ、市丸。」
「イヤやなあ。ハロウィンの仮装としてはの話やないの。虚圏一綺麗な肉体してるて噂のキミにしては地味やなあ、て思ただけ。

そや。キミに似合う思うて持ってきたもんがあるんやで?」
渡されたのは小さな紙袋だ。

・・中に入っていたのは・・・・。


・・1枚の海パン。←アメリカ国旗柄。

「put on or put away!(着なきゃ殺すよ?)」にこやかに話すギンに心の中でグリムジョーはこう言った。

『そんなの(ハロウィンと)関係ねえ!!そんなの関係ねえ!!』


今年もそれなりに楽しげなハロウィンのようである。←?


・・・・・一方。
「菓子くれねといだづらすんべ!」
ネルもドンドチャッカとペッシェを相手にハロウィン気分を味わっていた。
ドラエモンの如く口から何でも出すドンドチャッカ。
一方、ペッシェはと言うと・・・・。

・・・・・股間から棒状の千歳飴を引きずり出していた。

「何処から出してくるだ〜〜!そんなもん!!!」


虚圏は束の間のハロウィン気分に浸っていた。





なんちゃって。

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