藍に染まれ(藍染惣右介)
『・・・夜の静寂から朝へを移ろうとするその瞬間・・・
・・・あるいは、夕方から完全なる闇に閉ざされようとするその瞬間・・・・
・・・見上げた天空は藍に染まる。』
死神たる存在には限界がある。
それは強さの限界だ。
斬術・白打・歩法・鬼道。
死神のこれら戦闘方法には、限界強度というものが存在する。
いくら極めようともその限界を超えることは出来はしない。
それは死神としての魂魄の強度の限界があるためだ。
それは・・強さを求める者にとって・・
強さを妄執とも言える程激しく希求する者にとって
・・・絶望と言う名の深淵の闇でしかない。
・・昔のことだ。
私が副隊長になって、よかったと思える最大の事は何だったと君は思うかな?
それは隊長級でなければ近づけない、重要文献の数々を読むことが出来ることだ。
・・そこで私は希望を見た。
一筋の希望だ。
それは死神の強度限界を取り払う唯一の方法。
「死神の虚化」・・その可能性についての論文だった。
・・・それを見た時の私の気持ちが解るかな?
絶望の漆黒の闇が明ける予兆。
黎明の時だ。
それは確かに藍の色に例えられるだろうね。
闇は取り払われる。
いや、取り払ってみせる。
・・・例えそれが結果としてどんな非道を呼ぶことになろうとも。
全てを超えてやり抜いてみせる。
私が黎明の時を迎える時は・・
この世界は恐らく黄昏の時を迎えることになるだろう。
それは恐らく同じ藍の色をしていることだろう。
・・いい色だ。
・・・全て藍に染まると良い。
・・いや、藍に染めて見せよう。この私がね。
なんちゃって。