アニメ165話のいじり (ウルキオラ)

・・・予想以下だったか・・。

自宮へ戻るその途中、俺の手に貫かれた死神が脳裏によぎる。
あの死神が、戦いを経るごとに強くなることは予想していた。
先日のグリムジョーとの戦いを中断させたあの時も、新たな能力を手に入れた事を感知していた。

「だが、その程度か。」

・・・あの時俺はそう言った。
そして今も同じ事を言うだろう。

・・・その程度では・・俺が本気で戦う相手では無い。

もっと手ごたえのある相手になると思っていた。
俺の想像を超える強さをつけてくるのではないかと、恐らく俺はどこかで期待していたのだろう。

・・だが、実際は違った。
あの死神は確かに虚化という能力をつけてはいたが、その持続時間はわずか10秒ほど。

・・その程度の持続時間で俺を倒そうなどと・・・甘いの一言に尽きるな。

現実は予想を下回るものだ。
あの死神もその一つにすぎない。

・・そう思いつつ、自宮に戻る。

藍染様から預けていただいた女の様子を見ようと、女の部屋へ向かうとすぐに異常に気がついた。
派手に壊された扉。居る筈のない藍染様の傍付きの女たち。
この女たちが居る理由は直ぐに思い浮かんだ。
藍染様の部屋を出る時の女たちの様子を見れば、恐らく井上織姫に嫌がらせにでも来たのだろう。

・・そんな事をして、この俺が許すとでも思ったのか?

女たちの怯えた様子。だがこれは、俺を見て初めて怯えているのではない。
その前に既に何かあった顔だ。

・・この残された霊圧は・・。

「誰がこれを?」

確信を抱きつつ問う。

「グ・・グリムジョー」
帰ってきた答えは、俺の予想と合致した。

「そうか。」

俺はあいつの思考回路が理解出来ない。
・・いや、理解出来ないのではない。
何故そのような思考回路なのかが理解出来ない。

あの死神の処遇は藍染様から俺に一任されている。
そして、井上織姫も預けられたのは俺だ。

だから、俺があの死神を処分したとしてもグリムジョーがとやかく言う権利は無い。
井上織姫を強奪するなど、論外だ。

だが、あいつにはそんな事は何の意味もない。
あの死神に固執しているのは知っていた。
俺があの死神を倒したことに腹を立て、報復の意味で井上織姫を連れ去ったのだろう。

あいつが女を連れて行く先は容易に想像が付く。

・・黒崎一護の所しかない。


あいつの思考回路は読める。
グリムジョーは俺と何故か戦いたいらしい。
だが、俺の数字は4。あいつは6。
結果は明らかだ。
戦う意味など無いだろう。

何故、そう挑発してまで戦いたがる?

恐らく女に死神を治させるつもりだろうが、俺がみすみすそれをさせると思うのか?

・・・分からんな。

お前の思考回路が何故そうなるのか、俺には分からない。

明らかに命令違反だ。

・・・一度十刃を落ちて懲りたのではないのか?
お前のやっていることは、また同じ過ちを繰り返していることに他ならない。


・・分かっているのは・・・。

お前と戦わないことこそが、お前には一番効く薬だということだ。


ともかく女は返してもらう。


・・いいな、グリムジョー。




なんちゃって。

 

 

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