アニメ173話のいじり (更木剣八)
・・・更木剣八はヒマだった。
いや、ヒマなのは彼にとっては珍しくは無い。
何故なら、彼にとっては戦っている時間以外はすべて暇な時間となるからである。
よって、彼にとってヒマじゃない時間はごく僅かだ。
それゆえ、なんとか<忙しい>時間を作ろうと彼は日夜努力している。
・・・しかし、十一番隊隊長ともなれば、<忙しい>時間はそうそうめぐっては来ない。
<忙しく>なりそうなタネはほとんどは彼の部下が片づけてしまう。
そして、彼は今日もヒマだ。
暇を求めて、あても無く闊歩する。
誰でもいいから、喧嘩ふっかけてくれないだろうか。
そんな淡い期待を抱きながら。
しかし毎日その期待はただむなしく過ぎていく。
他人はそれを<平穏>と呼ぶらしい。
しかし、その日の剣八はツイていた。
流魂街で朽木ルキアに会ったのだ。
ルキアは現世へ派遣されていたはずだ。そのルキアがこんな所に居る。
剣八は途端になんだか楽しくなってきた。
ヒマから逃れられる予感だ。
別にルキアと戦おうというのではない。
残念ながら、平隊員ごときのルキアでは自分の相手にはならないからだ。
だが、ルキアを見て嬉しくなった。
何故なら・・ルキアには・・<お付き>がいる可能性があるからだ。
ルキアの様子を見れば、コッソリ帰ってきている節がある。
何か隠している。
剣八の大好きなものの予感だ。
そう、好敵手、「黒崎一護」の予感だ。
<霊圧>を探る。
剣八は霊圧探査が上手くない。
だが、一度戦った相手の霊圧は絶対に解る。
・・・いやがる・・!
途端に楽しくなってきた。
折角尸魂界に来たのなら、真っ先に自分の所へ挨拶に来ても良さそうなのものなのに、シカトとは、つれないことこの上なしだ。
大いに文句を斬撃に込めてやろうと思いつつ、一護へと突き進んでいく。
見つけた一護は、何やら取り込み中のようだった。
忍者もどきのつまらない刺客が、ガキの女を殺そうとしている。
『・・つまらねえ。』
こんなガキ殺って何が楽しいのか、剣八は恐らく永遠に解らないだろう。
もっとつまらないのは、肝心の一護がいかにも面倒くさそうな厄介事に巻き込まれている事だった。
『・・ちっ、興が削がれたぜ。』
この状態で戦っても一護は本気では戦わない。
それでは戦う意味がない。
ヒマから抜け出すことは、今回は無理のようだ。
『つまらねえ厄介事に巻き込まれやがって』
舌打ちしつつ、帰路に着く。
『ああ?そういや、奴がこっちに攻め込んできたのは、その厄介事に巻き込まれたんだっけか?』
そのおかげで、剣八は一護と戦う事が出来たのだ。
『まあ・・たまにはかまいやしねえか。』
厄介事の評価を一段階上げた剣八がいた。
なんちゃって。