化け猫退治(朽木白哉)

・・・四楓院家には化け猫が住んでいる。
しかもこの化け猫が四楓院家の当主なのだ。

けしからぬ。こともあろうに化け猫らしく四楓院家で化けて出ておればよいのに、なんとこの朽木の屋敷にまで徘徊してくるのだ。

おのれ、化け猫め・・・退治してくれるわ。

化け猫の名は四楓院夜一。
あの品格でなんと爺様と同じく護廷十三番隊の隊長をしているのだという。化け猫が隊長などと、二番隊には同情以外の何物も感じぬ。

四楓院家ではどうかは知らぬが、朽木では婦女子は淑やかたれと教えられる。それゆえ四楓院家の当主が女であると聞かされた時には、「女だてらに当主とは」と思ったことは事実だ。
されど、その力量があるならば問題はなかろうと思っていた。

しかし・・しかし・・四楓院夜一は・・私の範疇を超えていた。

「ほ〜〜れ、ほ〜〜れ。何を嫌がっておるのじゃ?男子とはおなごの乳が好きなものじゃぞ?もっと嬉しがらぬか。」
「止めろ、夜一!貴様自分が女であると解っているのか?!!」
「解っておるとも。こんなに立派な乳がついておるのじゃ。おなご以外の何物でもあるまい?」
「く・・!貴様・・!羞恥の欠片も持ち合わせてはおらぬのか!!恥を知れ!!」
「固いのう、お主は。もっと気楽に生きてはどうじゃ?お主の様に幼き頃より、そのように固いことを言ってるようでは、将来大物にはなれぬぞ?」
「その結果が貴様だというなら、断じて願い下げだ!」

・・・女子は淑やかなものだと思っていたが・・四楓院夜一はそんなものは、生来持ち合わせてなど居らぬらしい。一体四楓院家の教育はどうなっておるのだ?
私の顔を見るなり、あのくだらぬ肉塊をこれでもかと押しつけてくる。
母上のでさえ、記憶がないこの私にだ。嫌がっているのを解っていてやっているのだ。
私が体術で避けるようになるや、不意を突いてやってくる。

おのれ、四楓院夜一!!嫌がらせにわざわざ瞬歩を使いおって!!
それでも貴様は四楓院の当主なのか!

「ほ〜〜れほ〜〜れ、悔しければ追ってみよ。ま、お主には追いつけぬじゃろうがの。」
更に尻を叩いて挑発してくるとは・・・・貴様・!!!

朽木の家庭教師たちからは、私の瞬歩は第一級であると言われている。
断っておくが、瞬歩だけでは無い。斬・鬼・走の全てにおいて私の技は第一級だ。
だが、未だに追いつけたためしがない。
「おのれ・・・!」
まるで獣のような身のこなしだ。しなやかで柔軟な。全速の時さえ足音がせぬ。隠密機動の動きだからか。猫。そうだ猫のようだ。
気まぐれに、こちらに爪を立てておいて、追って来いとばかりに逃げ去っていく。

「くそ・・っ、追いつけぬ!」

化け猫め!!
貴様の得意技が瞬歩と言うなら、必ずやその瞬歩で貴様を超えて見せる!
そして、貴様の鼻を明かして見せよう!


身を以て知るがいい!!
化け猫は、いずれ倒されることをな!!



なんちゃって。
 

 

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