ガンテンバインの憂鬱
・・俺の名はガンテンバイン・モスケーダ。
恐らくこれを見ている奴らの4割は「はて、誰だっけ?」と思い出すべく上を向いていることだろう。
上を見るな、前を見ろ。
アフロだ。アフロの男だ。そう言っても恐らく1割の奴らはまだ思い出せないかもしれない。
・・仕方ねえ。
茶渡泰虎と戦った、破面・No.107のこぶしで戦う男だ。
ここまで言って、解らねえお前は、好きなキャラが出てる時しかまともに見ねえ、冷てえ奴だ。
正直、俺は破面落ちだ。
地味になる部分はあるのは認める。
だが、ドルドーニもチルッチも俺と同じく十刃落ちだ。
だがあいつ等と俺とはあまりにもインパクトが違う。
・・・何故だ・・・。
このアフロの何処が地味だというんだ・・。
一説にはボーボボボボに似ているとさえ言われた俺だ。
あの漫画ではアフロの主人公が幅を利かせていた。
なのに俺は、あまりにも印象が少ない。
・・・神よ。慈悲を垂れたまえ。
一度、ある男に相談したことがある。
散歩が趣味と言いながら、そこらじゅうをうろついて、何か悪さを仕出かす男だ。
銀色の髪をしたキツネ目。
・・これで、解るだろう。
その男はこういった。
「そら、仕方ないなァ。
そやかて、BLEACHは美形キャラでもってるマンガやもん。
まあ、君の場合いかにもジャンプ系キャラやけど、BLEACH向きや無いんやね。」
・・美形キャラだと・・!?
そんな浮ついたもので少年ジャンプの掲載が何年も務まるはずがない!
「BLEACH好きな子たちは、汗臭そうなオッサンキャラより、汗やかかなさそうな美形に弱い。それだけのことや。
ドルドーニやチルッチが君より目立ったんも、相手が人気のある子たちやったし。
それで、目が行ったいうんもあるんやろなァ。
まあ・・気の毒な事に、キミの場合、これまた地味な茶渡クンと戦ってもうたもんやから、余計地味になってもうたんやないやろうか。
まあ、こういうんも運やし。仕方無いねえ。」
・・・・茶渡泰虎・・!!!
そうか!敗因はこのアフロでは無く!!
茶渡泰虎と戦ったことにあったというのか・・!!
拳で戦ったあの戦いが、逆に俺を地味にさせていたとは・・!!
胸が痛むぜ・・。
あ、でも胸毛がちょっと痒いな。いてえ、絡まってやがる。
胸毛は俺のセクシーポイントだぜ?
切りたくねえ。
おお、神よ・・!!!
俺に慈悲を・・!慈悲を垂れたまえ・・!!
「それに、人気投票で上位は直毛キャラって決まっとるんやで?」
コッソリ呟いた、銀髪のキツネ目の言葉は、無論俺の耳には入らなかった。
なんちゃって。