ハリベル様ご来店〜〜!(オカマバー、”ロサ・アモール”)

・・虚圏の一角に、ある特異なバーが開業している。

名は「ロサ・アモール」。
薔薇の愛というものっそい、背筋にイヤ〜〜な感覚が走る店名だ。
この店は主に二つの特色がある。
一つは、店の経営者が破面であるということ。

・・そしてもう一つは、この店がオカマバーであるということである。←(笑)

シャルロッテクールホーンとゾマリ・ルルーの両名で経営するこのバーは、本人たちの希望とは裏腹に来店客は女性ばかり。
オカマ経営陣としては実に寂しい毎日を送っている。

しかし・・今日は彼等に歓喜の時が訪れる。


チリン、とドアの鈴の音と共に「お〜〜い!来てやったぜ〜〜?!」ととても品が良いとは思えぬ大声で入ってきたのは常連、ミラ・アパッチ・スンスンのハリベル従属官トリオだ。
そろそろ来るころだと思っていた、ゾマリは「・・・いらっしゃいませ。」とテンションが低い。(笑)
「あら。いらっしゃ〜〜い。またアンタ達だけなの〜〜?」とシャルロッテもテンションは低そうだ。
するとニヤリとアパッチが笑った。
「・・・と思うだろ?」
実に含みを持たせた返答に、「何よ、何かあんの?」と訝しげなシャルロッテ。
「喜べ。今日はあたし等だけじゃない。」同じくミラもニヤリと笑って言う。
「本当は私はあの方が、このようないかがわしい場所に来られるのは賛成しかねるのですけど・・。」

「ちょっとー!何よ、その言い方!うちの何処がいかがわしいのよ!言ってみなさいよ!」

・・・おかまバーに今更如何わしいも如何わしくないもないべ、シャルロッテちゃん。(笑)
とつっこんで居るうちに、スンスンが内側から、扉を何処か厳かに開けた。

「ま・・まさか・・・・!」
テンションの低かったゾマリ、シャルロッテ両名は驚きと期待の眼差しで扉に注目する。

開かれた扉の奥には、背の高い女の姿が。
「ハリベル様、ご来店だぜ?」
「サービスしろよ?シャルロッテ。」

「きゃぁぁぁっぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ぁぁぁぁっ!!!!!!←注)オカマの叫び声(笑)

ハリベル様あああ〜〜〜〜〜〜ぁぁぁぁっ!!!!」

一気に刀剣解放寸前まで高まるテンション。
すると、すっとハリベルが上体を逸らした。
その場所を何かが高速で過ぎ去る。
そしてそれはハリベルの後ろの壁にぶつかり張り付いた。

「何だ?今の。」
アパッチがハリベルの後方を見るとそこには・・・。
壁一面に、何やら紋章の様な物が張り付いていた。

・・この紋章は・・・・。

「ゾマリ、てめえ!!
ハリベル様にアモール飛ばしやがったな?!」
「てめえ!!!なに考えてやがる!!このストーカー野郎!!」
「ハリベル様にいきなり攻撃するだなんて、失礼極まりないのではなくって?」

怒髪天のハリベル従属官たち。
するとゾマリは澄まして言った。

「攻撃ではありません。あくまで感極まっての不可抗力です。
来ていただきたい思っていたお客様に、つい私のアモールが飛び出してしまっただけのこと。」

「・・解っている。私も気にはしていない。
それに、この程度の技、私には当たらん。」

ハリベル姐さん、男前な気風の良いことを見せるが、何やらゾマリは落ち込んでいるようだ。
「あ、落ち込んでやがる。」
「どうやら自慢の技を軽くあしらわれたのがショックの様ですわね。」
「当り前だろ?こいつの技がハリベル様に通用するかよ。大体気に入った客に、挨拶代わりにアモール飛ばしてんじゃねえよ、バーカ。」
もう散々な言われようだ。←(笑)


「そうよ!皆の言う通りよ!ゾマリちゃんたら!
ハリベル様は皆のものなの!いいこと?!ツバをつけようなんて、このあたしも許さないんだから!」
「ハリベル様をものとか言うな、このキモ・オカマッチョ。」
「ああ〜〜!なによ、その言い方!!チルッチちゃんの口癖じゃないのよ!あんたたち何時からそんなに仲が良くなってんのよ!」
「仲よくねえよ。あんな性格悪ィ女。いっつもあいつがそう言ってるからこっちの頭にイヤでもインプットされちまうんだよ。」

「お前達も、そのくらいにしておけ。
・・入ってもいいか。シャルロッテ。」
冷静なハリベルの声で我に返る面々。

そそくさと中にハリベルを招き入れた。
座る所は当然カウンターだ。

「何を召し上がりますか?」
「・・バーボンを。そうだな、ワイルドターキーを頼む。」
「ロックになさいますか?」
「いや、ストレートで。」

バーボンウイスキーをストレートで注文する女。(笑)
またそれが似合うのがハリベル姐さんの男前な所だ。

どうやって呑むのかと思いきや・・。
ぐいと片手で上着の口元部分を押し下げた。
流石に物を食う時は口を出すようだ。
しかし、グラスを持つ姿もこれまた男前。

思わずオカマ軍団からもハートが飛ぶ。←だからもうエエちゅうねん。

「はあ〜〜、下乳は隠さずに、口元隠すなんて、セクシーなのにストイックよねえ〜〜。
ああ〜〜んvアタシの乙女心がくすぐられるわ〜〜!」
「まさに究極のアンバランスです。尊敬するに値する。
まさに絵になる方ですね。」

オカマバー”ロサ・アモール”では店長が乗ってくるとショータイムが始まる。
無論、今日はノリノリだ。

「さあ!!今日は特別頑張るわよ!!みんな!!
ちゅうも〜〜〜〜く!!!」

いきなり店内の照明が消え、ミラーボールが代わりに光始める。
華やかなサンバの曲が店内を流れ出せば、ショーの始まりだ。
・・そして・・。

「ギャー!出たーー!」
「うげ〜〜!見たくねえ〜〜!」
そんな悲鳴の中現れたのは・・。

シャルロッテ、サンバ仕様!!
無論、女性用の衣装だ!(爆笑)
スパンコールをちりばめたギリギリの小さなビキニ!!はみ出したギャランドゥ!!(笑)←これは外せない
無論ダチョウの羽の飾り付きだ!!
ガタイがマッチョなだけに笑うに笑えない所に、いつもよりも気合い入れてメイクしました、な顔がまた恐い!(笑)

そして、また踊りが妙に本格的に上手い。
シャルロッテ・クールホーン。
オカマだが、芸にはそれなりにうるさいオカマだった。(笑)

勿論サービス対象はハリベル。
もう目の前でもっこり下半身をこれでもかと振ってアピールだ。

「げえ〜〜!ハリベル様に妙なモン見せんじゃねえよ!」
「ハリベル様!一発かましてやっって下さい!」「
「そうですわ。あんなものをハリベル様がその眼に入れるだなんて許せませんわ!」

ハリベルは無表情にシャルロッテを見ている。
騒ぐ従属官を片手を上げて黙らせ、そのままなんとシャルロッテの方へと手を伸ばした。

『もしかして・・虚閃・・?
いや、なんでもそれは辛いわね。』
と思ったその時だ。
シャルロッテのビキニの腰ひもの所に、ハリベルが何やらすっと差し込んだ。

「・・・?」
見ればなんとお札だ。お札をハリベルはシャルロッテのビキニに差し込んだのである。

「・・気合いの入った良い踊りだ。・・ナイスファイト。」

ズッキュ〜〜〜ン!!

・・シャルロッテ、ハートを射抜かれ即死(笑)。
その時ハリベル、すっと目の前に別のお札を指二本でかざした。
そのお札に何やら飛んできたものがある。
お札に命中したのはゾマリのアモール。←懲りないらしい(笑)

ハリベルはゾマリのアモールの張り付いたお札をピッと投げれば、それがゾマリの目の前のカウンターに落ちる。

「・・いい酒だ。久しぶりにビンテージのワイルドターキーを呑ませてもらった。それはチップとして取っておくと良い。」

ズッキュ〜〜〜ン!!

ハリベル姐さん、ゾマリのハートも一撃必殺(笑)。


・・・本日、ロサ・アモール。

どうやら呑み放題となったらしい。


翌日からはまた、いつものオカマバーへとなるだろう。

しかし、ハリベルの伝説は語り継がれることとなる。





なんちゃって。

 

 

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