仲間はずれ(バラガン従属官ズ)
 

良い子の世界では仲間はずれはいけないことだが、そんなもんどうでもよくなっちゃったウェコムンドでは、仲間はずれなんてザラである。

従属官が6体もいるバラガンじいちゃんの所でも、それは当然のように起きていた。


「俺たち陛下の従属官は6体いるけどよ。」
と、今日の仲間はずれの口火を切ったのは、鳥のアビラマくんだ。
「仲間はずれが居るよな。」
「ああ、明らかに違うのがな。」と乗ったのはサーベルタイガーのジオくん。
「とびきりウゼえ奴のことだろ?」とマンモスくんも同調だ。
「エサクト。」なんで、こんなしゃべり方なんだ、カニのフィンドール。
クジラのポウくんは、視線で該当者と見られる方を凝視した。

そして5体の視線の交わる点に居るのは・・・。


シャルロッテ・クールホーン。

オカマ・・じゃない薔薇破面だ。←おっといけねえ

「え?アタシ?」
とぼけた感じで言うところは本人もわかっているからだろう。

「お前だけ、動物じゃねえんだよな。」
「お前だけオカマだし。」
「チリ毛なのもこいつだけ。」

えらい言われようだが、そんなことでメゲるシャルロッテちゃんではなくってよ!
「フン!何よ!
あんたたちだって、下の毛はみんなチリ毛でしょ?!違うって言うなら見せてみなさいよ!」←この辺がオカマならでは(笑)

「ノ・エス・エサクト。少なくとも俺のはそうじゃない。お見せはできないが。」
「見せれなくて何が不正解よ!

大体、あんたたちなんて全部人間によって絶滅か絶滅しかかってるのばっかじゃないのよ!
けどアタシのは違うわ!

アタシの薔薇はね・・。

人間によってさらに美しく進化してきた種なのよ!!
いいこと?人間の繁栄によって、進化し続けるモノ・・。
より美しく!!そしてより強くへと変化し続けるの・・!

だからこそ、アタシは誰よりも美しいの・・。
そして誰よりも強いんだわ・・。
あんたたちみたいな、いつ絶滅してもおかしくないのとは違うの。
いいこと?もともと愛され方が違うのよ。

ああ・・それも薔薇が美しいからだわ。

ほんと・・美しさって罪ね・・。」
とマッチョなオカマが切なげにため息ついたところで、立つのは鳥肌ばかりなのだが、本人そんな事を気にするようなタマではない。


「だから、私は仲間はずれでいいの。
だって孤高の存在何打もの。そうよね、仲間外れみたいなもんだわ。
もともとアンタたちみたいな気の毒な仲間とは別の次元の存在なのだから。」

「よかったな。自分で認めやがったぜ?
これで俺たちも堂々とオカマ外しができるってもんだ。」

やはりシャルロッテちゃん、これまでも仲間うちで相当浮いていたようだ。
「そう・・堂々とオカマ・・ってオカマなんていわないで頂戴!!

あたしはプリンセスなの!!そこんとこ重要!!
汗臭い野郎が女装しただけなんかと一緒にしないで!!」

「一緒だろ。どう見ても。」←5体合唱
「て、一番汗臭そうなガタイしてるくせに。」
「この絞りきった見事な筋肉美を汗臭いですって〜〜?!あたしの体からは薔薇の香りしかしないんだから!!におってみなさいよ!!ホレ!!」
「誰がオカマの脇なんぞ匂うか。オカマうつるだろうが。」
「脱毛してる・・。ウザさ倍増。」
「エクセタ。見るのも勘弁だ。」

えらい言われようだ。流石のシャルロッテちゃんも凹んだか?
なにやら俯いてしまったぞ?

「・・そう。
アタシの美を理解できない気の毒な人たちなのね・・。

そんな人たちには・・・。

アタシのラブラブ・ビューティフル・ダイナマイト・セクシーデンジャラス・キッスをお見舞いよ〜〜!」
「うげえ!!にげろ!!」
「お待ちなさ〜〜い!」

今日もシャルロッテちゃんは仲間はずれを食らっている。

けれど、ご機嫌は上々だ。←ていうか、悪い時が殆どない。(笑)




なんちゃって。


 

 

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