オカマバー「ロサ・アモール(薔薇の愛)」(シャルロッテちゃん、ゾマリ)

 

・・虚圏の一角に、ある特異な店が開業している。

名は「ロサ・アモール」。
薔薇の愛というものっそい、背筋にイヤ〜〜な感覚が走る店名だ。
この店は主に二つの特色がある。
一つは、店の経営者が破面であるということ。

・・そしてもう一つは、この店がオカマバーであるということである。←(笑)

店の経営者を紹介しよう。

酒の知識及びカクテルの知識も多いが、あまり愛想の無い隠れオカマのゾマリ・ルルー。
ちなみに栄えある第8十刃も務めているエリートだ。
エリートだけにプライドも高い。
ホントはオカマなんだけど、あんまり表向きにはしたくないので、普段の恰好もストイックにバーテンダーの恰好で決めているが、中身はストーカー系オカマだ。
かなり怖い存在と言えよう。←(笑)

そして、主に接客担当。
陽気なノリとキワモノ系外見という、実に基本に忠実なオカマ、シャルロッテ・クールホーン。
十刃ではないが、上位の十刃に従属官として仕えるこちらも準エリートと言えよう。
男性として立派すぎるほどの肉体を持ちながら、その内面は強く「女の子」であることを主張。
ゾマリとの大きな違いは、「オカマがなんだってのよ、ちょっとそこ!何か文句でもあるわけ?!文句があるなら言ってみなさいよ!・・って、あなた結構いい男じゃないのよ。そんな悪い男にはチューしちゃうんだからv」と見事なまでの開き直りを見せている事である。
こちらは、守備範囲はほぼ全方位と言っていいし、ターゲットには周囲をはばからずアタック攻撃をかますのだが、引き際を悟っているのである意味良心的と言える。(笑)←そうなのか?

こんな店に一体誰が通うのか?と思わなくもないのだが、意外に繁盛しているのだ。

「ママ!これお代り!」
「ママって言わないでって何回言ったら解るのよ、チルッチちゃんたら!
あたしはママじゃないの、シャルロッテちゃん!いいこと?!ママなんてオバサン臭い言い方しないでよ!老けちゃうじゃない!いいこと?あたしはシャルロッテちゃん!『ちゃん』てちゃんと付けてよ?!」
「うっさいわね!早くお代わり出しなさいよ!」
「もう〜〜、いやあね〜酔っ払いは〜。
ゾマリちゃん、この子って何飲んでたっけ?」

「シンガポールスリングですね。ちなみに今8杯目です。
それからシャルロッテ。私の事はちゃんをつけないようにして下さい。私の品位が傷つきます。」
「オカマに品位もくそもないわよ。そんなに気取ってるからあなた、皆に嫌われんのよ?
開き直った方が勝ちだってまだ解らないのかしら。」

「余計な御世話ですね。
はい。シンガポールスリングです。」
「ちょっと〜〜、ここで潰れないでよ?後が大変なんだから。」

「うるさいわね!ギャランドゥを脱毛し忘れてるオカマなんかに言われたくないわよ!」
「何ですって?このあたしが脱毛し忘れてるですって?!

・・フ、これだから美を理解する能力が乏しい人って困るのよね。」
「どこがよ。そんなもん見せびらかしてるほうがどうかしてるってのよ。」
「いいこと?チルッチちゃん。
本当の美ってのはね。セクシーじゃなきゃいけないの。そしてアンバランスがあってこそ、完璧な美と言えるのよ?
あたしは確かに心は女の子よ?でも体はセクシーな男性なの。そして男性美を出すにはギャランドゥは必要なの。解った?」

「解るわけないでしょ、このキモ・オカマッチョが。」
どうやらチルッチ・サンダーウィッチ、ヒマに任せてオカマとマッチョを合わせた新語を作ったようである。
「なんですって〜〜〜?!!!」

一戦(と言っても舌戦ね)始まるかと思われたが、そこに来客あり。
「お〜〜い!シャルロッテちゃん元気〜〜?」
現れたのはハリベル配下の女性従属官3人衆。
ここの常連だ。

そう、此処はオカマバー。
そして客のほとんどが女性客である。

「ちょっと!!またあんたたちだけなの?!
今度来るとき、イケメンと一緒に来るって言ったじゃないのよ!
せっかくこっちは、サービスタイムでガンガン踊り子さんする気だってのに!
ステージ衣装も作ってるのよ?連れてきなさいよ!」

「いや、一応アビラマとか誘ってみたんだけどよ。」とアパッチが話し出す。
「アビラマ!いいじゃない!で?!」
「あっさり断られちまった。」
「なんでよ!」
「やっぱてめえのよりデカいオカマのもっこりは見たくねえんじゃね?」
「・・・・!!!これだから、お尻の穴の小さな男はダメよ!」
「そんな事言ってっから来ねえんだよ。」

女性破面としては良き相談相手なので、圧倒的に女性客が多くなり、たまに引きずられて来る男性客には張り切り過ぎたシャルロッテちゃんのサービスとゾマリのアモールが飛ばされるため、男性客の足は遠のく一方だ。

「ああ〜〜!もう!
たまには野郎をよこしなさいよ〜〜!

あ、でもハリベル様だったら許してあげるけどv」

どうやらハリベルは、オカマにも受けるらしい。
たまに顔を出してくれるので、それがオカマバー「ロサ・アモール」経営者たちの少ない慰みとなっているようだ。


チリンと入口の鈴が鳴り、今日も扉が開かれる。
「いらっしゃ〜〜いvってまた女の子〜〜ぉ?」


それなりに繁昌はしているようだ。




なんちゃって。
 

 

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