おじいちゃんは、おかんむり(バラガン・ルイゼンバーン)

破面でエスパーダのバラガンおじいちゃんは、部下に陛下と呼ばれている。

何故なら、自分が破面の王様だと思っているからだ。
他のエスパーダも自称で豹の王さまだの、固い王様だの言ってるけど、おじいちゃんにとっては、そんなことはケツの青い子供のたわごとでしかない。
うんうん。自分が老いてるのをスルーして、自分より若い者を、ことごとく子供呼ばわりする年寄りっているよね!(笑)
そして、その典型がバラガンじいちゃんなのである。

なので、当然自分を破面へと変えた藍染様だって、心の中では「この小僧」扱いだ。
けど、さすがに声に出してはいえないので、態度にこっそり出している。(爆笑)←余計悪いやんけ
もう少し、詳しく言うと「この薄ら笑いを浮かべた癪の障る有能ぶった小僧」なのだが、あんまり長いと忘れてしまうので、とりあえず「この小僧」と心の中で言うことにしている。
おじいちゃんは、自分が一番偉い人だと思っているので、藍染様のことを「藍染様」なんて絶対言わない。「ボス」と呼ぶ。
一応敬意をはらったつもりなんだよ?これでも。
でも、藍染と呼び捨てにすると流石に命が危ないので、とりあえず、ボスという言葉で認めてやっておるわい、なところなのである。

ちなみに従属官に「陛下」と言わせているような恥ずかしい人はお爺ちゃんだけなので、「陛下」という言葉がおじいちゃんのことであると、周知されてるのである。

・・陛下=自分。

おじいちゃんはご機嫌だ。
ご機嫌になると、おじいちゃんは偉そうな態度をとりたくなる。
藍染すら椅子に座っていない敵のど真ん中で自分用の玉座を広げてみたり、柱守のことをアリとか言ってみたり、反対に自分の部下には竜とか言ってみたりしたくなる。

後は、自分の部下が敵を蹴散らすのを待つだけだ。
そして、おじいちゃんは自分の為にがんばった部下を労う。
なんて理想的な王様ロード。

うんうん、やっぱ王様は真っ赤なじゅうたんの上歩かんとね!

と、椅子にかけて果報を待っていたのだが、残念ながらおじいちゃんの思うようにはならんかった。
次々と取るに足らんはずのアリに自分ところの竜が敗れ去っていくのだ。

ちょ・・・っ!どこの世界にアリに負ける竜が居るよ!
おじいちゃんはどんどん不機嫌になっていった。
このままでは自部下を竜とか言っちゃった自分がかっこ悪いみたいだもんね!!

4体目の部下が負けちゃったとき、おじいちゃん、流石にキレそうになっちゃった。
だって、このままじゃおじいちゃん、マジでカッコ悪いひとになっちゃうもん!!
そこでおじいちゃん、一芝居うつことにした。

まだまだ戦う気もないのに、立ち上がるそぶりを見せたわけだ。
アリ相手にこの陛下をださせるんかい!!しっかりせんかい!!

すばやく意図を汲んでくれる残り二体のおじいちゃんの部下は、いきりたった。
「申し訳ありません、バラガン様!
奴等は我々がすぐに始末して参りますので、どうぞお座りになってお待ち下さい。!」

そうそう、それでいいのよ、それで。
しっかり若いものが働いて年寄りを楽させてもらわにゃ。
そして、おじいちゃん、さらに鞭を入れる念の入れよう。

「殺せ。一匹も蟻も生かして逃すな。
貴様等に負けて戻る場所など無い。
儂を落胆させるなよ?
敵の血で染まっておらん道など、この儂に歩かせるな。

言え!貴様等は誰の部下だ!!」

「はい!我々は“大帝”バラガン・ルイゼンバーン陛下の従属官!!
あらゆる敵を粉砕し、必ずこの戦場を奴等の血肉で染め上げてご覧に入れます!!」

うてば響くようなこの返し!!
どうじゃ!!
これこそ王者の証じゃ!!
まだくちばしの黄色い藍染などには出来んじゃろう!!

・・・とはいえ・・・。

状況はおじいちゃんには厳しい状況だった。

残り二体も押され気味・・。
バラガンじいちゃんのイライラはたまる一方だった。


「バラガンおじいちゃん、なんやおかんむりやねえ。」
市丸ギンが炎の壁の向こうで暢気そうな声を上げている。
「当然だろう。部下が次々と敗れてるんだからな。」
東仙要が相槌を打つ。

「イヤやなあ、そこは【あ、頭のかんむりとかけたん?うまいなあ。】て言う所なんやで?」
「・・・・。」


まったく緊張感のない炎の向こうだった。




なんちゃって。
 

 

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