雑魚の花道(ノイトラ・ジルガ)
・・・俺達虚に、救いなんてものは最初から無え。
それは俺達が虚となったその時にもう、決まってんだよ。
けど、そん中でも一番救いの無え存在なのは・・・
俺みてえな中途半端な強さしか持たねえ奴だ。
上になれる訳でも無え。
かといって、すぐにやられる訳でも無え。
いつかやられる。
それは最初から解かってやがるのに、その時はなかなか来ねえ。
蛇の生殺しにも似た日々。
・・ちくしょう。
早くやれよ。
どうせ死ぬんだ。
誰か、早く俺を殺してくれ。
だが、何時まで経っても「その時」は来ねえ。
・・なら。
自分で近づくしかねえだろうが。
「その時」に一歩でも近づくには、戦いの中にてめえの身を投げ込むしかねえ。
無謀だろうが、なんだろうが、戦いの中にさえあれば「その時」の近くに居れんだろうが。
だが、ことごとく邪魔が入った。
ネリエルだ。
戦いの中から、俺を引きずり出しやがる。
・・ことごとく俺の邪魔をしやがって。
情けをかけてるつもりかよ?それで。
ハッ!要らねえんだよ、そんなのは。
こっちは死にてえんだ。
邪魔すんじゃねえ!
だが、ネリエルは俺に付きまとい、その邪魔をした。
だから、ザエルアポロに声をかけてあいつを罠にはめ、頭かち割って外に放りだしてやったんだ。
これ以上邪魔をさせねえように。
させねえようになるまで俺が強くなる時間を稼ぐために。
強くなってやる。
誰よりも強く。
誰にも俺の戦いを邪魔をさせねえくらい強く。
十刃の頂点に立てれば、俺の邪魔をする奴は誰もいねえ。
最強の敵と戦えるのは、この俺だけだ。
だから、俺以外の最強なんて存在しちゃいけえねえんだよ。
その為に叩き潰してやる。どんな事をしても。
汚ねえと言われようが、卑怯だと言われようがそんなことは関係ねえ。
破面で最強なのはこの俺だ。
なんとしてでも最強になってやる。
・・・一応理想ってのがあってよ
・・・俺でも、
・・・最強の敵と戦って・・・
・・・死ぬんだ、そいつに斬られてよ。
息は既にこと切れてんだよ、地べたに俺の体が沈む前にゃ。
死ぬんだ、そんなギリギリまで戦って。
俺は雑魚でしかねえ。
いつか喰われる運命だ。
だが雑魚にもプライドってもんがあんだよ。
<どうせ喰われる運命なら、強い奴と派手に戦って派手に死ぬ>
・・どうだ?
なかなかいいだろうが。俺の花道だぜ?
・・・幾千もの屍に飾られてんだ
・・・俺だけの花道はよ。
・・・そんで沈むんだ。俺も。
・・・その道にな。
なんちゃって。