準備は万端(朽木白哉)

・・・尸魂界への帰路を閉ざされ、藍染の言葉を天挺空羅により伝えられたルキアはしばし、呆然としていた。

井上織姫は我々を虚圏へおびき寄せ、戦力の分断を図る手段として使われたのだという。
まんまと敵の術中に嵌ったと考えたルキアは、口惜しそうに唇を噛む。

「・・・何をしているルキア。」
「兄様?」

一瞬何を聞かれているのか解らないという顔だった。

「・・お前の此処へ来た目的は何だ。」
「・・井上を救出することです。」

言いきるルキア。

「随分と呆けた様子だが・・どうやらその目的は果たされたと見える。」
「!」
それで気づいたようだ。

「行きます!兄様!」
言うや、井上織姫が捕らわれている宮へ向かって駆け出した。

・・それでよい。
藍染の思惑がどうであれ、お前の目的は現世の女の救出の筈。
その目的が果たされぬうちは、一瞬たりとも気を抜いてはならぬ。
現世への帰り道は、女を奪還してから初めて考えればよい。
空座町での戦いも今のお前には関係の無き事。

未熟なお前は目の前の目的のことだけ考えておればよい。

・・ルキアは変わった。
黒崎一護らと関わり、隊と言う枠ではなく、初めて自分で仲間と呼べる者らと出会った。
揺れ動いていた意志は、仲間を持つことにより強固なる鋼の意志へと変わり・・。

・・何よりも表情が明るくなった。

現世の女を取り戻すに、残る最大の障壁は第4十刃。
恐らく黒崎一護にしか倒せまい。
それでも自らが何か出来ると信じて駆けつけようとするルキアには、今までにない自信が感じられた。

・・行くがよい、ルキア。

お前が信じるその道を。


・・・案ずるな。

・・・お前がその道に志果たさず倒れる時などありはしない。

・・・お前はこの私の誇り。

私の誇りを傷つけるものは・・この私が許しはしない故。





なんちゃって。

 

 

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