アニメ195話のいじり(ノイトラ・ジルガ)

割合なんてものは知らねえが、オスとメスとがいる世界なら、普通オスの方がでけェし強えェ。
ま、強えェオスがメスを従える。オスにとっちゃ常道だろう。
だが、そうじゃねえのもいやがる。
・・メスがオスよりでけェし強えェってのがな。
カマキリがそうだ。

虫の中で、カマキリを「草原の王者」だかなんだか言われてるらしいが、それはカマキリ全体を指す訳じゃねえ。
「メス」だ。メスのカマキリの事を指しやがんだよ。
あぁ?じゃ、オスはなんだってか?

オスはただ捕食者でしかねえんだよ。
いつメスに喰われるか解らねえ。ただの捕食者ってワケだ。

・・だが、それでもオスはメスに近づかなきゃなんねえ。
やることやって、てめえのガキをメスに生ませるためによ。
喰われるのを覚悟で近づかなきゃなんねえわけだ。

上手くいけばガキを孕ませられる。
ヘタこけば、食われる。

正直近づきたきゃねえんだよ。けど、そう言ってもらんねえ。
てめえのガキを生き残らせてえんなら、強えメスに孕ませねえとダメだろうが?
けど、そんなメスに近づくってのは、自殺行為ってやつだ。

オスのカマキリにとって究極の二律背反する存在。


・・それがメスってやつだ。

強いメスであればあるほど、強烈にオスは惹かれ、同時に反発する。
それはてめえの死の危険とてめえのDNAの存続ってな快楽だ。
当然、そんなメスに惹きつけられるオスどもはウヨウヨいやがる。
で、オス同士の戦いが始まる。
ようやくその戦いに勝ったオスでも、運が悪けりゃただのメスのエサだ。

結局決めるのは、運でしかねえ。
そうすりゃもうこっちは祈るしかねえんだよ。

・・祈るしか・・な。


藍染の破面化を受け入れて、俺は十刃となった。
数字は8だ。
俺の上には7体、俺より強いと認められられやがったヤツが居る訳だ。
その中に、あいつが居やがった。

ネリエルだ。
数字は3。正直3と8じゃ、話になんねえほど差はあった。
スカした女でよ。いかにも優等生ぶった態度が気に入らねえ。
おまけにその優等生ぶりを発揮しやがって何かと俺に口出ししやがる。
落ちこぼれの不良を、いかにも面倒みてますってな感じだ。

オレはネリエルの眼には、ただの厄介者で矯正すべき落ちこぼれとでもしか映ってねえ。
これまでも。・・そんでヤツにとってはこれからもな。

ヤツの仮面を見るに、恐らく羊の類だろう。
羊は元来大人しい性格だ。戦い向きじゃねえ。
元々人間に飼いならされる連中だ。たかが知れてやがる。

だが・・俺よりも階級は上だ。羊のメスはカマキリのオスよりも上ってわけか。
草ばっか能天気に喰ってる奴が、オス同士の死闘の果てには祈るしかねえカマキリよりも上だってわけかよ。

・・冗談じゃねえ。冗談じゃねえって思わねえか?

俺は突っかかった。何度も決闘をヤツにしかけた。
だが、結果はどれも無様なもんだ。
情をかけてんのかどうかは知らねえが、適当にあしらわれて、優等生のお言葉をのたまってポイだ。
ハイ、お情けでございます。だから反省しなさいってか?ナメてんのか?テメエ。

殺せよ。何で殺さねえ。
俺が危険分子なのは知ってんだろうが。
優等生ぶってるてめえが何で俺をまた野放しにしやがんだ?

・・・ハッ、そうかよ。
羊のメスはてめえより弱いオスなんざ、食わねえもんな。
適当にあしらって終わりって事かよ。”でも群れの秩序は乱されてくないの”ってか?

・・・マジで最低だぜ。
まだ喰われる方がマシだ。
喰われたテメエの血肉はメスの血肉となりやがるからな。
全く残せねえ訳じゃねえ。
だが・・適当にあしらわれんのは・・メスに何も残せねえ。
生きてる意味も、甲斐も何もねえってなワケかよ。

・・・畜生。
見てろよ、ネリエル。
ぜってえてめえより強くなってやる。
いいや、誰よりも強くだ。
羊の世界は、野郎がメスより強えェんだよな。

・・だったらてめえェの所でアタマはってやろうじゃねえの。

それには時間がかかる。
だがぜってえ、最強とやらになってやる。

その為には手段は選ばねえ。
綺麗だなんだで生き残れねえのがカマキリの世界だ。
他のオスがメスに喰われてる隙を狙う。それが汚ないだ?寝ぼけてんのか?テメエ。
ただツイてただけの事じゃねえか。

世の中は最後は運だ。
カマキリは最後には祈るしかねえ。
だが、最初から祈る訳じゃねえぜ?


祈るのは、てめえがやることやってからにしねえとな。
所詮祈るのは神頼みってやつだ。
てめえで確率上げた方がましだろ。




なんちゃって。



 

 

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