アニメ202のいじり(更木剣八)
強え奴だった。
普通にやってりゃ、奴が勝つ。
それくれえ、強え奴だった。
腕が何本も生えてきやがって、ご丁寧に一本一本カマ持ってやがる。
そんだけ腕あったら、絡まりそうなもんだけどよ。その辺は上手く出来てるもんだ。
ともかく強え。
それで充分だった。
そんな奴とやり合えるのはラッキーってやつだ。
別に死ぬのは怖くねえんだが、死んだらそれ以上戦えねえだろ。
そいつはちょっと旨くねえ。
それだから、俺は一応これでも必死で考えながら戦ってるんだぜ?
どうすりゃ斬れるのか。
どうすりゃ勝てるのか。
そうすると普段は忘れてやがることが不意に思い出されてくる。
ま、その一つが剣道ってやつだった。
俺は性に合わねえことは直ぐに忘れちまってよ。
じじいに一時叩き込まれてたんだが、性に合わねえってんでしばらく忘れてたぜ。
だが、本気で死ぬギリギリのところに来るとよ。
忘れちまってた事も思い出すから、おもしれえ。
その剣道で勝負はついた。
俺の勝ちだ。
奴はかろうじて生きてやがった。
しぶてえ野郎だ。ふつうはそれで終いなんだけどよ。
だが、生きてんのなら、そいつは単にツイてるだけだ。
勝負はついた。奴が生きながらえてまた戦いに来たら、また潰せばいい。
そうして俺は奴に背中を向けた。
それが気に入らなかったらしい。
立つのもやっとだろうによ。必死で立ち上がってまだ挑発してきやがる。
そんなんで俺とやりあっても勝てねえって知っててだ。
何、手で張り合わせてやがる。ああ、そのまんまじゃ離れちまうか。胴体がよ。
勝負はついた。これ以上やりあっても勝敗は変わらねえ。
だが、奴は必死で立ち上がって俺を挑発したきやがる。
なんだよ、その挑発は。閉店間近の投げ売りってやつか?
そういや、早く決着つけたがってたな。
負けたから早く死にてえってか。
・・ちっ。
面倒な奴だ。
いいぜ、来いよ。
俺の手で死にてえんだろ?
今まで楽しませてくれた礼だ。きっちり引導を渡してやろうじゃねえか。
ンな嬉しそうなカオすんなよ。
こっちは面倒なんだからよ。
加減は無しだ。
こいつで全部終わらせてやる。
ホラ、来いよ。
綺麗に斬ってやっからよ。
なんちゃって。