汝をタレ耳の刑に処す(黒崎一護)
・・呼んでるんだ・・。
『・・・黒崎一護。』
・・俺を・・・。
『・・・起きろ、黒崎一護。』
・・誰だ・・?俺を呼ぶのは・・・
「って、ええ加減におきんかーーーい!!こんのヘタレ主人公めが!!!
こないな大変な所でなに胸に二回も穴開けられてくたばっとんねん!!」
「って、ええええええ〜〜〜?!!!」
・って、どこだ?ここ。
眼が覚めたら、なんか法廷みたいな所に転がっていた。
裁判官みてえなのが、前に3名。
だが、なんかすりガラスみたいなので、こっちには顔は見えねえようにしてやがった。
「俺・・何でこんなところに・・。」
さっきまで、ウルキオラと戦ってたんじゃ・・。
そうだ、俺はあいつに虚閃をくらって、胸に穴開けられたんだ・・。
はっと自分の胸を見れば、出血は無いが確かに穴が開いていた。
なんで、痛くねえんだろ・・俺もう死んじまったのか?
ていうか、なんで俺こんなところに居るんだよ。
と、元の疑問に戻ったところで、ガラス越しで裁判官みてえなのがこっちに声をかけてきた。
「黒崎一護。」「なんだよ。てめえら何モンだ?なんで俺はこんなところに・・。」
「汝に質問をする権利はない。
この場は、主人公という重職にありながらも、同じ相手に、しかも同じところに穴を開けられて前と同じく機能停止に陥るという、まことに主人公らしからぬ汝を弾劾するものである。」
「お前らにそんな事を言われる筋合いは無えよ。」
「そうか。汝はこのままではこれで終わる。
BLEACHの主人公は汝以外の者が新たに立つこととなろうが、それでよいということだな。まあそれもよかろう。
ただでさえ出番がなく、本当に主人公なのかと以前から疑問視されていた汝だ。
あまり大勢に影響はないやもしれんな。」
「って、まてまてまてー!何勝手に話してやがる!!
誰もこのままで終わるなんて言ってねえだろうが!!俺は絶対ウルキオラを倒す!」
「ほう。どうやって。」
「どうやってってそりゃ・・・。」
「井上織姫の事象の拒絶で、展開も拒絶させる気か?」←(笑)
「いや・・そりゃ少しは井上の力も借りるかも知んねえけど。」
何気に痛いところをついてきやがったな、こいつら。
「汝はこれから完全虚状態に移行する。
虚化などと中途半端なものではなく、完全なる虚状態だ。
だが、ただ虚になるというわけにもいかん。
同じ相手に二度も同じ技を喰らい、醜態をさらし、よい子の皆に不安を与えてしまった汝には罰を与えねばならん。」
「まあ・・確かにみんなの期待に今まで応えてねえってのは悪りィと思ってっけど・・・。」
「よって、汝をタレ耳の刑に処す。」
「・・・は?」
何言ってやがんだ、こいつら?タレ耳の刑ってなんだよ。そんな刑なんざ聞いたこともねえぞ?
「虚となった汝はタレ耳・・つまりロップイヤーとなってもらう。」
「って、ウサミミかよ!!!
ちょっとまてよ、ウサミミ系なら今のウルキオラだってそうだろうが!
何で俺もいまさらウサミミなんだ?」
「同じウサミミで勝利するからこそ意義があるというものだ。」
「ていうか、なんでタレ耳なんだよ!全然強そうに見えねえだろうが!!」
「ウルキオラの耳は長すぎて一コマでは入らぬくらいにまで伸びている。
同じ耳の長さ対決をしたところで、コマに入らねば意味はない。
だが、タレ耳であれば、一コマで顔と耳全部が入る。断然有利だ。」
「って、何の勝負だ、そりゃ!!」
「これがそのタレ耳だ。」
って、俺がなる姿ってのを見たんだけどよ・・。
「別にウサギじゃねえだろうが。どっちかっていうと、闘牛の角みてえだぞ?」
「ウサミミだ。闘牛の角は顔に対してあの角度では生えていない。」
「って、ウサギだってあの角度では垂れてねえだろうが。」
「あり得ないわけではない。」
「だいたい、全然ウサギらしくねえぞ?ウサギってのはもっとフワフワしてるもんじゃねえのか?」
「心配することはない。フワフワはある。」
「どこにだよ。」
「両手首、そして両手足首にフワフワを用意した。」
「って、尻尾とかじゃなくて、手足か!!」
「別に尻尾をつけてもよいが、残りの死覇装を脱いでもらうこととなるがよいか?」
「イヤ・・それは・・。」
流石に放送出来ねえ・・。
「ならば決まりだ。
黒崎一護。汝にタレ耳の刑を処す。
そして、その姿で主人公の強さを取り戻し、勝利を勝ち取るのだ。」
「何か複雑なんだけどよ・・とりあえずは仕方ねえか・・。」
それにさっきからよ・・。
『呼んでる。
呼んでるんだ。聞こえる。』
だって、ウサギの耳は長いんだもん。
・・ま、垂れてっけどな。
なんちゃって。