祈りの乙女(井上織姫

『・・・神様。

一つだけお願いがあります。


私に力を下さい。


少しの間だけでいいんです。


どうか・・・。黒崎君たちが、十分な準備が取れるだけの間だけ・・


・・・私に力を下さい・・。』



・・・・戦いは嫌いです。

だって、人が人を傷つけて、一体何の幸せがあるの?
傷つけられた人も・・そして傷つけた人も、大きな苦しみを負うだけなのに・・。

誰かが傷つくのは、もう見たくない。
でも、戦いはなくならない。

・・分かってる・・。
どうしても戦わなければいけない時があるということを。

・・分かっている。
そのためには、誰かを傷つける覚悟をしなければならないことも。


・・・それでも戦いは嫌いです・・。


黒崎君は強い人です。

・・それだけじゃない。

周りに強さをくれる人だと思います。

黒崎君の力は護りの力。
護るために強くなる人です。

・・でも、そのために自分が傷ついてもかまわないと思ってしまう人です・。。

・・そんなこと、ないよ?
あなたを大切に思う人はたくさんいる。
黒崎君が傷ついて心を痛める人は沢山いるんだよ・・?

だから、お願い。自分の事も大事にしてあげてね?

朽木さんを助けに尸魂界に行ったとき・・。
わたしは何にも出来なかった。

こういうの・・足手まといっていうんだよね。
ゴメンね?役に立たなくて・・何にも出来なくてゴメンね?

あなたはそんな事ないって笑うけれど・・
自分が戦いに向かないって知ってるけれど・・

それでも、私に出来る事をやりたいの・・。
今やれる事がないのなら・・一生懸命探したい・・。


藍染さんて言う人が、私に興味を持つだなんて知らなかった。
私の力をどう使おうとしているのかも分からない。

でも、これだけは言える。


良くないことがおきる。
黒崎君たちにも、きっとそれは良くないことが。


破面という人たちの強さは、信じられない物だった。
今、黒崎君があの人たちと戦ってもダメ。
もっと時間をかけなければ。

そのためには、藍染さんという人のところに、私が行くしかない。


もう、黒崎君たちとは会えないかもしれないね・・。


・・悲しい。
・・淋しい。

・・怖い・・!

・・でも・・・行こう。

私に出来る事を探すために・。

その為に私も戦わなきゃ。
黒崎君は私たちを護るために戦ってる。
だったら、私も戦わなきゃ。皆を護るために・・黒崎君を護るために・・。

『弱虫だった私が、こんな風に思えるなんて・・。

・・戦う勇気を貰ったからかな・・。
いっぱいいっぱい貰ったから・・・。
・・あなたにいっぱい貰ったよ・・・?

・・ありがとう・・黒崎君。



・・あなたに会えて・・よかった・・。



私は藍染さんという人を、倒す力はないかもしれないけれど・・
私はあなたが強くなる時間を作ることは出来るかもしれない・・。


・・・神様。

一つだけお願いがあります。


私に力を下さい。


少しの間だけでいいんです。


どうか・・・。黒崎君たちが、十分な準備が取れるだけの間だけ・・


・・・私に力を下さい・・。』


また・・・みんなに会いたいな・・・。

黒崎君にも会いたいよ・・。


でも・・もし今度会うかもしれないその時が・・みんなを傷つける為にあるのなら・・・


・・私の覚悟は出来てるの・・。


・・そう・・それが私の戦いだから・・。








なんちゃって。

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