まどろむ乙女(雛森桃)

乙女はまどろむ。

夢を見ながら。



・・・幸せ。
だって、みんながここにいるんだもの。
乱菊さんも、阿散井君も、吉良君も、シロちゃんも。

そして・・・藍染隊長も・・・。

藍染隊長・・・。
隊長のお傍はどうしてこんなにも落ち着くのでしょうか。
いろんな不安や迷いが、無くなってしまうのです。

隊長の笑顔を見るだけで、「ああ・・大丈夫。」と心に勇気が湧いてくるのです。
副隊長として、私はまだまだ至らないところがあります。
でも、いつも穏やかに見守って頂いてますよね。

どんなに力強いか。
隊長はご存知ですか?
そして、どんなに嬉しいか・・隊長はご存知なのでしょうか。

弱い私も、そして未熟な私も。
全て受け止めていただいてますよね?

すいません・・。
甘えてばかりで。

でも、隊長の補佐として、私、必死で頑張ります。
そして、少しでもお役に立てるように頑張ります。

隊長のお傍にいれるだけで・・私は頑張れるのです。

藍染隊長・・・。
なぜこんなにも心が落ち着くのでしょうか。

藍染隊長のお傍にいられないだなんて、もう私には考えられないくらい。


ここにいると・・・。
・・・・こんなにも安心できます・・。


『・・・・・。雛森・・・。』

誰かが私を呼んでいる気がする。
誰かしら。
なんだかとっても懐かしい。
でもヘンね。
だって、ここにはみんないる。
私の大切な人たちが、みんなここにいるのに。

なんて幸せなのかしら。
だって、みんな穏やかな顔をしているわ。

みんなと一緒にいつまでもいたい。
そうして、笑っていたいの。

『・・・起きろ・・・雛森・・・』

ああ。誰だったかしら。
でもどうしてそんなに、悲しそうに私を呼ぶの?
私はこんなに幸せなのに。


ここでいたい。
みんなとここで、笑っていたいの。

もう少し・・・もう少しここで。



乙女はまどろむ。

夢を見ながら。



夢から覚めることに怯えるかのごとく。




夢を見続ける。






なんちゃって。

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