待つ試練。(織姫、雨竜、チャド、岩鷲)
『今すぐ駆けつけたい!!・・・・でもそれは出来ない。
・・・なぜなら・・・自分の出来ることが・・・何もないから。』
4人はひたすら待っていた。
・・・戦闘の邪魔にならない、ぎりぎりの距離で。
『俺は一護の助けになるべく、ここソウルソサエティに同行した。
自分の命は、一護に預けている。
だが・・・最後は見守るしか出来ないのか・・・。』
一護の強さはチャドの想像を絶したところまで来ていた。
隊長格の強さはよく分かっている。
待つことしか出来ない自分。
チャドは自分の拳を握り締めることしか出来なかった。
雨竜は自分に驚きを感じていた。
・・・仲間。
仲間を持つということで、自分がこれほどにも変われるという事を。
いつも一人だった自分。
己の力だけを信じていた自分。
その自分が、『仲間』の為に、全てを投げ打って戦い、そして『仲間』の勝利をただひたすら願っている。
自分にこれほど熱い感情を持ち合わせていたことを初めて知った。
それを教えてくれたのは、黒崎、お前だ。
『だから勝て。勝て黒崎!!』
雨竜は心の中で叫び続けていた。
『黒崎君・・。』
黒崎君がもうかなりの怪我をしているのは分かっているの・・。
一刻も早く治して上げたい。
でも・・まだダメ・・。
待つの・・・終わるまで・・・。
でも終わったら、一刻も早く駆けつけて、治してあげるからね。
・・・ううん、違う。
・・・お願い。治させて!!
『黒崎君・・。お願い!!どうか・・どうか無事でいて!!』
織姫の願いは、勝利よりも一護の無事だった。
『一護・・・。またずいぶん強くなったみてえだな。』
もう、俺の手には負えねえ。
岩鷲は一護の強さが誰よりも分かる。
なぜなら、今一護が戦っている相手・・・朽木白哉の剣を実際に受けているからだ。
その相手と対等に戦っている気配を察知した岩鷲は、自分が一護を信じてきたことを誇りに思っていた。
『間違っている奴が、こんなに強くなるはずがねえ。一護・・やっぱりお前は、俺の知っていた死神とは違う。』
この先、この勝負がどうなるのか。
そして自分がどうなるのか。
そんなことは今の岩鷲にはどうでもよかった。
『この先何があっても、俺の命は一護。
てめえに預けちまってるからな。』
見届けてやるぜ。俺が全部な。
だから戦え。気の済むまで。
4人には何も出来ない。
しかしその思いは、風に乗り、たしかに一護に届いていた。
『勝て・・・・!!一護・・・・・!!』
なんちゃって。