妄想スル男(檜佐木修兵)

九番隊執務室・・。
隊長空位のこの部屋に、一人の男の独り言が漏れる。

「つ・・・疲れた・・。」

声の主は副隊長檜佐木修兵。
現在一人で隊を仕切らねばならぬ男だ。

雑用に、隊をまとめる仕事、やるべきことはまだ山のようにある。
今日も深夜まで残業は確定だ。
11月も後半に入っている。年末にかけて忙しさは倍増していくことだろう。

「11月も、もう22日かよ・・て、あと30分で23日か・・・。

23日!!?あと1ヶ月っきゃねえ!!」

修兵はある事を恐れていた。

何を恐れているかといえば・・・


・・・・野郎だけで空しく過ごすクリスマスをである。


<昨年のクリスマスの日の修兵>
吉良と恋次を強引に誘い、飲み屋へ。
自然と寂しい男が合流し、集団を形成する。

寄った勢いで、女性死神たちを片っ端から難破するも撃破される。
このとき、2,3人に分かれて行動を起こす←注)フラれても、連れがいれば寂しくないから。(笑)

景気直しで飲み直す。
その時、酔っ払った乱菊一行に遭遇。奢らされた上にツブされる。

翌日二日酔いで東仙に注意される。

胃腸薬を飲みながら、翌年こそは彼女と過ごすクリスマスを、と心に固く誓う。←心の中だけなのがポイント。


<一昨年のクリスマスの修兵>
吉良と恋次を強引に誘い、飲み屋へ。
自然と寂しい男が合流し、集団を形成する。

寄った勢いで、女性死神たちを片っ端から難破するも撃破される。
このとき、2,3人に分かれて行動を起こす。

景気直しで飲み直す。
その時、酔っ払った乱菊一行に遭遇。奢らされた上にツブされる。

翌日二日酔いで東仙に注意される。

胃腸薬を飲みながら、翌年こそは彼女と過ごすクリスマスを、と心に固く誓う。←またもや心の中だけなのがポイント。

<3年前のクリスマスの修兵>
前に同じ。

<4年前のクリスマスの修兵>
前に同じ。

<5年前のクリスマスの修兵>
前に同じ。



・・・・これ以前は寂しすぎるので思い出すのを、どうやら止めたらしい。(笑)


「ああ・・・乱菊さんと一度でいいからクリスマス一緒にいれたらな・・。」
一人男の願いは切実だ。

なんでも、サンタクロースとやらは願いをかなえてくれるのだそうな。
プレゼントは要らんから、彼女になってもらえるようにして欲しい。

「・・ま、そんなに上手くいかねえけどよ・・。」

せめて、一日でいいから日番谷隊長になりたいものだ。
そうすれば、あの盛に盛った乱菊のおっぱいの感触を楽しめる。
日番谷隊長はいつもイヤそうな顔をしているが、そんな顔をしているくらいなら、俺と代わってくれ!と心の中では声を枯らして叫ぶ修兵だった。

「やっぱ、あの背が当たりやすいんだろうな・・。
どれくらいだったっけか?日番谷隊長って。これくらいかな。」

思わず屈んでみる修兵。・・・残念だが、日番谷はもう少し低い。
『日番谷隊長〜〜v』
ああ・・乱菊さんの声が聞こえる・・。←妄想に入ったらしい。
そこで振り返ると・・・目の前には・・・パラダイス〜〜〜v
パフン・・・・。

ここで修兵、何やら膝にパタパタと落ちるものが。
赤い液体だ。

「は!!イカンイカン!!(フキフキ)

しっかりしろ、俺!!日番谷隊長になってどうすんだよ!俺は俺だろ?
ちゃんと俺を男として見てもらわねえと・・・。

お・・「男」?!!←自分の言葉に反応する修兵(笑)」


『ねえ・・今ふと気づいたんだけど・・
修兵って、結構男らしいのね・・・。
アタシ・・・見直しちゃった・・・v

ヘンね・・あたし・・こんなにムネがドキドキして・・
ねえ・・これって病気なのかな・・?ちょっと診てくれない?修兵。

ダメよ、ちゃんと手を当ててみて?』←どうやら本日2回目の妄想に入ったらしい。

注)この辺の突拍子もない、ご都合主義な所が男の妄想の特徴だ。

「ブオ〜〜!!←本日2度目の鼻血噴火。

も・・もちろん!!!

診ます!!診ます!!なんでも診ます!!

任せてください!乱菊さん!!

ていうか、俺の男を見てください!!←?」



誰もいない執務室に響くは,
もっそい盛り上がっているけど、ただの空しい独り言・・。


ゴーゴー!!修兵!!
まずは目くるめく妄想世界から現実に戻って、乱菊とサシで呑む実力をつけろ!!


おい!どうした!!
戻ってこんか!!修兵!!
楽しいのは解かるが、そっちは虚構の世界だぞ?!!
本物のオッパイ・・じゃない・・乱菊に近付くためにも現実の寒い風に耐えるのだ!!


今年の修兵のクリスマスは楽しく過ごせるのだろうか・・・。


それは、彼が卍解を会得するよりも難しいかもしれない・・。





なんちゃって。

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