内科医、朽木白哉

・・・巨大基幹病院BLEACH・・。

外科ばかりが目立つようだが、実はそうではない。
この病院で一番熱いといわれているのは・・・


・・・・内科の外来だった・・。
基本的に紹介状が無いと、この病院には来れないのだが、軽い症状でもわざわざ、地域病院の医師にムリを言って、紹介状を書かせてこの病院に通う患者は多い。
なかには、それすらせず、追加料金を払ってもここに通う患者で溢れているのだ。

なぜ、そこまでするのか・・・
それは、この内科、総診を担当している一人の医者に、会いたいがためである。

その医者の名は・・朽木白哉という。

朽木は代々、医者の家系だった。
それもただの家系ではない。各時代の御殿医を勤める家系なのである。
まさしく、白哉は医師界のプリンスというわけだ。

当然、朽木家が経営する病院は由緒正しく、敷居は高い。BLEACHほどの規模ではないが、何より古くからの知名度は格別。やんごとない人々の健康を担う病院には、一見さんは一切排除されるシステムだ。

その次期当主でもあり、院長の座が約束されている白哉だが、何故かこの病院で働いている。
しかも、本人の希望で。

理由は、数多くの症例や患者に接し、経験を積み重ねたいからだという。
自らを鍛えるためには、他の優秀な医師と切磋琢磨し、自分に過度の偏見を持たない病院で働いた方がいいと考えたようだ。

いずれは、朽木の病院に行くことになるだろうが、それまでは何事にも取り組む覚悟の白哉だった。

その白哉に診てもらえる確率は5分の1。
狭き門だ。その確率を巡って、9時診療開始なのに対し、午前7時から診察待ちの人が立つ。
早く来れば、医者のリクエストが利くからである。


9時・・診療開始・・。

その厳しき門を通過した患者が、白哉の診察室へ通された。
女性患者だ。←現在血圧120←正常。
そして、診察室には、ネクタイまで寸分の狂いも無く締められた白衣の白哉が居る。

「○○といったな・・今日はどうした・・。」
白哉はお坊ちゃまなので、敬語が使えない。
一見高圧的と捕らえかねないが、何故か患者の方には受け入れられている。

「あの・・風邪を引いたようで・・。寒気と少し熱が・・。後咳も。」
「・・・37度2分だったな。

では、聴診する。胸を見せよ。←ダイレクト(笑)」
「ええ?!!」←現在、血圧140←ちょっと高い
驚く患者。
「聞こえなかったのか?胸を見せよと言ったのだ。」
すかさず、看護師がフォローに!!
「呼吸の音を聞きますから、お胸を見せてくださいね〜〜。」

指示に従った患者に、白哉の手入れが行き届いた指で摘まれた聴診器が当てられる。
その時ふと触れる指先は冷たい。←血圧180←ヤバイ。

「・・・・。次は背中を見せてみろ。←あくまでダイレクト(笑)
・・・少し、気管支が炎症を起こしているな・・。

よし、もういい。次は口を開けて見せろ。」

のどの調子を診る為に近寄る白哉の体からは白檀に似た香りがふと漂う。

「少し赤いな・・・。腹の調子はどうだ。」
「実は・・ゆるくて・・。」
「そうか。では診察台に横になれ。」

すかさず看護師がフォローする。
「おなかの調子を診ますから、おなかを出して横になってくださいね〜〜。」
硬い医師の態度に対し、看護師の態度はフレンドリーだ。


腹を出し、診察台に横になる患者に、白哉が近寄る。
スカートのウエスト部分が邪魔だったのか、片手で下にずらす。悲鳴を抑える患者。
露になった下腹部に、白哉の冷たい指先が触れ・・食い込んでいく。
指先の冷たさが妙にリアルだった。←血圧200突破!!ヤバイ!!
目を閉じて耐える患者に対し、白哉の表情は一切変わらない。

何箇所か腹部を押し、診察は終わった。

「・・腸には今の所、異常は無いように思える。
暫く整腸剤を出すこととする。
それに抗生物質と風邪の薬を出しておく。

十分な水分と睡眠を取る様に。

・・以上だ。」

「あ、ありがとうございました。」

その時一切患者と目を合わせようとしなかった、白哉の目が患者の方に向けられる。
突き刺さるような強い視線だ。

「・・大事にいたせ。」

心臓を射抜かれたような患者(血圧値測定不能)がフラフラと椅子から立ち上がり、診療室を出ると、通路にある張り紙を見つけた。

『転がり部屋はこちら。→
場所は以前と変わってますので、注意してください。
廊下では転がらないでください。危険です。』


患者はそのまま転がり部屋へと移動したらしい・・・。

転がる患者が続出し、転がり部屋を広くする措置を取った病院BLEACH・・・。


今日も、外来は熱いようである。




なんちゃって。

inserted by FC2 system