ネルたんの、あなたの悩みを「ちゅるん・があっ!」
・・虚圏の外れのある所に・・人知れず、破面たちが悩みや日々の想いを吐露する場所がある。
「王様の耳はロバの耳」では、木の洞だったが、残念ながら、虚圏には樹木は無い。
代わりに、一人の子どもの破面がその役割を担っていた。
その名を、ネル・トゥ。
天真爛漫でいたいけな子供にしか見えないネルに、その役割は重すぎるやに見えるが、それはひとえにネルの特殊能力があるためである。
今日も常連がやってきたようだ。
「あ、アーロニーロ・アルルエリさまー!
いらっしゃいませっス〜!さ、今日はどんなことっスか?」
ダントツの常連、アーロニーロ。←御気の毒(笑)
先日、十刃落ちの破面と鉢合わせして、余程バツが悪かったのか、周りを見渡して、誰も居ないか確認中だ。
「今日は誰もまだ来てないっスから、大丈夫っスよ〜。」
「ソウミタイダネ。安心シタヨ。」
「そんで、今日は誰にイズめられたっスか。」
流石は、常連。ネルの方も心得たものだ。
すると、アーロニーロがとつとつと語り始める。
「市丸ニ・・言ワレタンダケド・・。
現世ニハ、遊戯王ッテ言ウ、漫画ガアッテ、二ツノ、モンスターヲ融合出来ルラシインダ。」
「ああ!確かカードゲームの草分けとか、まんえに聞いたごとあっだような、気がするッス。」
「『他の漫画では唯のカードでさえ、融合出来る言うのに、キミは気の毒やねえ。
なんや、いかにも中途半端で。まァ、でもそれがキミの味なんやけど。
藍染隊長ももうちょっとなんとかならへんかったんかなァ。』・・ッテ・・・。
確カニ、チャント融合出来テタラ、皆ミタイニ、<イケメン>ニナレタカモシレナイナ・・ッテ、コノ頃思ッテ・・。」
イヤ・・・普通の破面=イケメン違うし。
現に、現十刃もイケメン率いうたら、5割切ってるし。(笑)
でもまあ・・・・アーロニーロよりはましかもしれんが・・。
と、ツッコンでいる間に、ネルに異変が!
なんと、アーロニーロから出されたグダグダの吹き出しを飲み込んだ〜〜!!
ちゅるんvvv
・・ネル完食(笑)。
と思ったら・・!
「がああああっ!!!!
『コルア〜〜〜!!藍染!!
こんなけったいな顔にしくさりやがって!!もっとマシに作らんかい!
自分の前髪の長さばっか弄りまわしてんじゃねえ!!
てめえの前髪こそキモいんだよ!コマ毎に長さ変えやがって!!
きっちり、僕タチを融合させて、エエ仕事してみんかい!!』」
出ました、ネルの秘儀「倍返し」。
一旦受けた攻撃を呑みこみ、倍返しにして口から吐き出すというものだ!
本誌では、「ちゅるん、があ!」は相手の虚閃攻撃のみにしか発揮されていないが、こんな使い方もあるのである。
とても、正面切っては言えない本心を、ネルが代わりに増幅して言ってくれるこのサービス。
内気な破面や、マゾ系の破面に大人気だった。
ハアハア言いながら、一仕事を終えたネル。
ニッコリ笑って、「どうでスたか?アーロニーロ様。」
すると、試験管にさらにお面を被せているまま、興奮したようにアーロニーロが言う。
「言ッテクレタネ!スッキリシタヨ!」
・・・アーロニーロも相変わらずだいぶ苦労しているようだ。
「デハ、今日はモウ帰ルヨ。マタ、別ノ奴ラト、鉢合ワセハ嫌ダカラネ。」
「ありがとうごぜえました〜!」
ぶんぶんと手を振って見送ってくれるネル。
こんなに暖かく見送ってくれる者など他に誰がいよう。
正直、アーロニーロはこの姿が見たくて来ているのかも知れない。
・・ただ・・・ひとつ忘れてはいないか?アーロニーロ。
「・・・ほう・・。
・・彼がそんな風に思っていたとは知らなかったな。」
・・・・認識同期の存在の事を。
アーロニーロには認識同期される時間は、戦闘時間のみと言う風に伝えられている。
しかし、実際は少し違うようだった。
なんちゃって。