俺は観賞魚ナンカジャナイ(アーロニーロ・アルルエリ)

十刃N0.9アーロニーロ・アルルエリ。
ギリアン出身、成り上がり部屋。
相撲で言えば、西の小結くらいだろうか。←微妙〜〜。

元々はやせっぽっちの上に非力で他の十刃たちと同じ土俵に立てるような、アランカルではないのだが、他の死んだホロウを食って食って食いまくって、でっかくなって能力を吸収して強くなってきた。
今や、食う事は強くなる事の証だ。
無論、食うほどでかくなる。

そんな、貪欲なハングリー精神を持つ彼らでも、小動物のように恐怖に震える時もある。



・・・敵は背後からやってくるのだ。



「射殺せ、神鎗。」
「!!!」

背後に僅かな殺気を感じた、アーロニーロが頭をそらしたその場所を、伸びた刀が空を切る。


「こ・・・この刀は・・!!」
「残念。かわされてもうたなァ。」

無論、背後からの刀の持ち主は市丸ギン。
事あるごとに、試験管の中の人面相を狙ってくる。

「今日こそは、上の可愛い子を釣ろうかと思てたのに。」

『いや、それ釣りじゃないし!断じてそれは釣りではないから!!
ていうか、それが100歩譲ってそれが仮に釣りだとしても、それしてどうすんスか?

オレ、死ぬんですけど。十刃なんスよ?!オレ!!

藍染様にどう言い訳する気なんスか?!

「すんません、あんまりヒマやったから釣ってもうた」とか言って許して貰えるわけですか!ああ、そうですか!!←自己完結?』


「・・・冗談は止めてくださいよ。」
ホントだよ!冗談にもなってないよ!!

「ゴメンなあ、ついやってもうた。お詫びにパンくずあげるから、許したって?」

って、お詫びがパンくずって何よ、それ!!死んだホロウじゃなくて?!
て、ガラスのところにパンくず押し付けても食えないから!!
って、何つられて、オレってパンに寄って行ってんの?!!
駄目ダヨ!!落チ着カナカキャ!!シッカリ!!僕タチ!!


「まあまあ、そこに座り?座布団好きなんやろ?
新しい座布団持ってきてあげたで?」
うわ〜!お魚銜えたドラネコの柄〜〜!ってこれイヤミ?!

「今日はまったりしようかと思て、照明も持ってきたんやで?
キミあんまり明るいんスキやないやろ?
ブラックライトやで?」

つうか、余計なお世話って言うか、オレ真っ暗がいいんスけど。
って、照明当てるところ間違えてません?オレに向かって当ててどうすんの?
シカモ、下カラ〜〜?!!

うわ〜〜〜!真っ暗な中で僕タチダケガ、ブラックライトデ、照ラサレテルヨ〜〜!
シカモ、何デコンナニ寛イデ見上ゲテンノ?コノヒト!!

その時、オレの呼吸を助けるべく、定期的に投入される酸素がコポリと音を立てる。
ゆっくりと上に上がっていく小さな空気の泡。


「ホンマ・・癒されるなァ。」
アンタは癒されるかもしれないけど、こっちはぜんぜん癒されてないんですけど。
ていうか、最悪って感じ?


「もう・・行っていいですかね。」
「アカンよ。ボクまだ見てたいし。」
「オレもこんなところで油売ってるわけには行かないですし。」
「しゃァないなあ。ほな取って置きの熱帯魚用のエサあげるから。」

って、またガラスに押し付けてんじゃねえ!!
つうか、オレ魚じゃねえって分かってやってるだろ!!

「食いませんよ、そんなもの。
大体そんなに魚が好きなら、本物の観賞魚を飼えばいいじゃないですか。」
「それがアカンのや。」
「どうしてです?」
「本物いうたら、水替えたり温度一定にしたりせないかんし、結構世話大変なんやで?
そんな面倒くさいことしとないし。

こっちは世話せんでも雰囲気が味わえるやろ?」

「・・・・。」

藍染サマ。マジデ、コノヒト何トカシテクダサイ。



今日も暗闇の中で、ひざ小僧を抱えることになりそうな、アーロニーロだった。







なんちゃって。



・・・眠くて、何いじってるか分からん・・・。
お休みなさい〜〜!


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