王様の秘密は、シスコン(朽木白哉)

ここはシスコン王国。
妹を持った兄は必ずシスコンになってしまうという、恐ろしい王国です。


その王国を統治する王様の名は「兄様」。
くどいようですが、王様だけど名は「兄様」です。
そこんとこヨロシク。(笑)

兄様には妹姫がいます。
妹姫の名はルキア。

ちょっと言動は男らしいところがありますが、かわいらしいお姫様でございます。

そんなルキア姫もそろそろお年頃。
当然ながら、縁談がふってわいて来るもの。

シスコン王国の王様ですから、兄様も当然シスコンかと思いきや、兄様はシスコンらしい言動を見せた事がなかったのでした。

ルキア姫に対しても、冷たい態度でございますし、満足に会話をすることも殆どありません。

縁談についても、

「・・ルキアはもう私の判断を仰ぐ年ではない。
あれが嫁ぎたければ嫁げばよい。
姫としての心構えは既に教えている。

後は私の預かり知らぬことだ。」

と、すげなくお答えになるのです。
シスコン王国の民たちは、「流石は王様。妹姫の事をお信じになられていらっしゃるのだ。」とたいそう兄さまの事を尊敬しておりました。


でも・・・・


実は兄様も大変なシスコンだったのでございます・・・。



それを知るのは大臣の恋次ひとりでございました・・・。←気の毒(笑)。


「・・・また縁談が来ていた様だが・・。」
兄様は大臣に尋ねます。
「ええ。ですが、ルキア姫は『まだその気にはなれませぬ』とお断りになったようですよ?」
「・・・そうか・・。←(もう内心胸を撫で下ろしまくり)(爆笑)」←でも無表情。


ルキア姫はまだ、結婚に興味はないようです。でも兄様は心配でなりません。

心のモヤモヤは積もる一方。
そんな兄様。趣味の散歩の途中、大きな木の洞を見つけました。

たまったモヤモヤ・・・。
ふと、兄様吐き出したくなりました。


そこで洞に向かって囁きます。


「・・・ルキアは何処にも嫁がせぬ。」←爆笑



今まで言いたかった心の声を吐き出せた兄様。
心軽く、王宮へ帰って行きました。


数日後・・・。

妙な噂が立ちます。

「王様は妹姫の結婚に反対しているらしい。
やはり王様もシスコンか?」


この噂に兄様は激怒。
「・・・貴様か、恋次。」
「俺じゃないっスよ!!」←なんて気の毒な!
「私の秘密を流した以上、貴様の命はない。覚悟せよ。」
「だから違いますって!!」


そう・・・恋次が喋ったのではありません。
噂の出元は・・・。


『・・・ルキアは何処にも嫁がせぬ・・・。』



そう。兄様の怨念をたっぷり吸収してしまったあの木の洞だったのでございます・・。


噂の元を知った兄様、早速その木を切り倒してしまいました。

しかし、何を思ったか、その木から太鼓を作らせます。
その太鼓の使い道と言うと・・・。


「ルキア姫のおな〜〜り〜〜〜!」

今日もルキア姫には縁談を携えた使者が面会を求めます。

その時、ルキア姫の登場を知らせる太鼓が鳴らされました。

『・・・ルキアは何処にも嫁がせぬ。』←注)太鼓の音です。



嫌味にしかならない太鼓の音(爆笑)。


知られてしまった以上は、開き直ったか?兄様!!
しかし、兄様の態度は変わりません。
相変わらず妹姫には冷たいまんまでございます。


しかし、今日も明日も明後日も、使者に向かってあの太鼓は鳴らされます。



ルキア姫の縁談はなかなか決まる気配はないようですね・・。




なんちゃって。



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