ラブリーチ(男性版) 松本乱菊編

今日は前回と少し変えて、主人公を具体的キャラは決めません。
ではどうぞ。

ラブリーチ  〜心の斬魄刀の名〜  松本乱菊編


プレイヤーを入力してください。
○番隊、副隊長 ○○○○。

ようこそ。○○副隊長。

あなたは、○番隊の副隊長です。
(架空です。実際にキャラに当てるのは難しいかもしれません。)
十番隊の松本副隊長とは同期です。

時は藍染惣右介の反乱の後。
隊長3名もの欠員を出し、残された隊長は当然の事として、副隊長にもこれまで以上の重圧がかかる。

そんな中のことだった。

『松本乱菊が、このところ荒れている。』
そんな噂が立っていた。

毎晩のように酒場で飲んでいるらしい。
持ち前の強引さで仲間を誘っているようだ。
たまにくらいならば、問題はないが、今は非常時。
たびたびでは。下への示しもつかない。

どうしますか?
<1>そのまま放っておく。
<2>様子を見に行く。

選択<2>そこで、様子を見に行くことになった。
乱菊はいた。
後輩の男を二人連れている。
しかし、乱菊が無理に呑ませたのか、完全にグロッキーな状態だった。

「・・また呑んでるのか?」
「あら〜〜!!○○!!いいところに来たわ!!
付き合いなさいよ。もう、この子たちったらてんで弱くて、相手にもならないのよ?」

「それはいいが・・・こいつらは帰すぞ?もう限界のはずだ。」
「いいわよ。帰しちゃって〜〜。」
水を飲ませて、後輩たちを帰し、席に座る。

「珍しいじゃない。アンタが付き合うだなんて。」
「お前が荒れていると噂が立っている。そこで様子を見に来たんだが・・。」
「見に来たんだが?それで?」
ぐいっと手の中の杯を干す乱菊。
「その通りみたいだな。」
「・・・任務に支障は出ていないわ。文句を言われる筋合いはないわよ。」

「だが、周りには支障が出ている。さっきの後輩もそうだろう。」
「・・・。」
途端に黙りこむ。そして目の前の銚子に乱暴に手を伸ばす。
「何をそんなに荒れている。」
「・・別に荒れてなんてないわよ。」

「・・市丸のことか?」
途端に乱菊の肩が跳ね上がった。
「・・図星か。」
「『市丸』・・ね・・。アンタはあたしと違って、どんな時でもギンの事を呼ぶとき、『隊長』をつけていたように思うけど?」

挑戦的な眼。静かに受け止める。
「ああ・・。『隊長』だったからな、実際。だがもう違うだろう。つける必要はない。」
「・・・・・。そうかもね。」
苦笑する。うつむいた顔が何故か痛々しい。

「・・・帰るぞ。」
「え?」
「そんな顔で酒を飲んでも美味くないだろう。帰って寝た方がいい。十番隊も相当忙しいはずだ。」
「・・そうね。」
「隊舎まで送ってやる。」
「なあに?やけに優しいじゃない。」
「でないと、ハシゴしかねんからな。お前は。」

席を立つ乱菊。足元に乱れはない。
呑んでも酔えないのだろう。
酔いたいのに酔えない。だからもっと酒を呑んでしまう。
そんなところだろうか。

乱菊はいい女だと思う。
もちろん容姿の事はあるし、本人も自覚している。
だが、根本的には完全に自立した女だ。
男に頼るということはない。
だが、甘えるのは上手だ。
かといって、弱みはなかなか見せない。

最近一段ときれいになった。
表情に少し影が見え隠れするようになったからだろうか。
時折はっとするほどの時がある。

市丸のことが、乱菊の心の中のかなりの部分を占めていることは前から知っていた。
毎日仲間を連れ歩くのは寂しいからだ。
乱菊が俺を誘わないのは、俺がそれを知っていることを、乱菊もまた知っているからだろう。
弱みを見せようとしない。
俺の前では特にそうだった。

隊舎まで送り、帰ろうとすると、後ろから声がかかる。
「・・ありがとう。」
軽く手を振るだけで、自分も帰路に着く。

それから、乱菊との仕事をする機会が増えますので、順調にこなして親密度を更に上げましょう。

そして、イベント発生。
乱菊とその部下と合同で辺境のホロウ討伐の命が下る。
任地に着いたときから乱菊は少し変だった。
落ち着かないのだ。
そして討伐の際、乱菊の指揮のミスで仲間に負傷者が出る。

その辺境の地は・・・乱菊と市丸が子供のときに初めて出会った地域だった。

任務は成功したものの、負傷者が出たことへの責任問題となる。

どうしますか?
<1>乱菊を庇わない
<2>乱菊を庇う。


選択<1>庇わない。
乱菊を庇わなかった。
こう見えてプライドが高い女だ。
あそこで庇えば、更に傷ついただろう。

警告を受けた後においても、平静を保とうとする乱菊。
そんな彼女を、俺は双極に連れてきた。
「・・なんなの?こんなところに連れて来て。」
「ここから確か消えたんだよな。
・・・お前。あれからちゃんと泣いたか?」

「・・何のことよ。」
「とぼけるな。市丸が消えてから、ちゃんと泣いたかと聞いている。」
「・・・なんであたしがあんな奴の為に泣かなきゃなんないのよ。」

「・・あいつをずっと追ってきたんだろう?今までずっと。」
「・・・なんで、・・・あんな奴を。」
下を向く乱菊。

「あの辺境地・・・あいつと出会ったところなんだろう?
だから平常心を失い、凡ミスをした。違うか?」
「・・・何でアンタに・・そんなこと分かるのよ・・。」
「分かるさ。・・・見てたからな。ずっと。」

「・・なんで・・・。・・なんで・・。」

肩が震えている。顔は下に向けたままだ。

「お前が強い女だと言うことは知っている。・・・だが・・・。」
そっと胸に抱き寄せる。

「泣きたい時くらいは、好きなだけ泣け。
・・・泣く場所くらいは、・・俺が作ってやる。」



初めて知った。


・・・乱菊がとても静かに泣く女だということを。

終わり。


選択<2>庇う。
「俺のフォロー不足です。すみませんでした。」
頭を下げる俺に、乱菊が言葉を失う。
「何言ってんのよ!!あたしの責任だって分かってるでしょ?!」

非常時だ。たいしたことにはならない。
口頭注意くらいですんだ。

「ちょっと!!何考えてんのよ、アンタ!!あたしをバカにしてんの?!」
「お前も聞いていただろう。俺のフォロー不足だ。」
「あたしのせいだって言っているでしょ?!」
「・・なんでお前は、そんなになんでも一人で背負おうとするんだ?
今回はチームだ。お前の責任は俺の責任でもある。
お前も分かっているはずだ。」

それでも収まらない乱菊を、酒場へ連れて行く。
案の定、盛大にくだを巻いた。
俺の悪口をひとしきり並べ立てたら、少しは気が治まったのだろうか。
机に突っ伏した。
「・・・気が済んだか?」
「・・・ゴメンね?迷惑かけて・・。」
「迷惑だなんて思ってねえよ。俺も悪かったな。お前のプライドが傷ついたか?」
「・・・・。でもちょっと嬉しかった。」
「お前は弱みを出さないからな。・・・抱え込みすぎだ。」
「だって、いい女って強いものよ?」
「否定はしないが、弱みを見せないことと、強いこととはイコールじゃない。誰かを信じて、自分の重みを託すことも十分強いことだと思うがな。」
「・・そうかな。」
「ああ。もっと分けろ。俺にも。他のやつにもだ。
皆喜んで引き受けてくれるさ。・・いい女なんだろ?」
「・・・なんか悔しい。アンタ何時からそんなにいい男になってたの?」

「いい男にもなるさ。・・惚れた女がいい女だからな。」

「・・・・それ・・口説いてるの?」

「そうとも言うな。」


終わり。


単独で、また辺境へのホロウ討伐の命が下る。
その出立の時だった。
乱菊がいた。
「今から行くの?」
「ああ。」
「気をつけてね。」
「ああ。」

「ねえ。あたしの心は結構大きいの。おっぱいと同じでね。」
「それで?」
「今、半分くらいアンタがいるわ。・・・どうする?」

強調するように胸の下で手を組む乱菊。
いつもの乱菊だ。

「決まってる。残りの半分も俺が貰う。」

「・・・上等。」

そして俺は旅立った。




なんちゃって。

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