ラーメン店「断崖」にて ある日の客

尸魂界のとある一角・・。
修兵が店主となっているラーメン店「断崖」に一人の客がやってきた。

暖簾をくぐって入ってきた一人の長身の男・・。
「・・一人なんだが・・いいかな?」
鼓膜を震わせる美声。
栗色の瞳、広い肩幅、少し癖毛の髪を後ろに撫で付けた男。
尸魂界を混乱に陥れた張本人、元五番隊長藍染惣右介だ。

「あんた・・!!」
「藍染隊長!!?どうしてここに!!」
早速惣さま、ラーメン店「断崖」を混乱の渦に叩き込む。
「・・ああ。そんなに驚くことは無い。君たちが店を開いたと聞いてね。
興味があったので来てみたんだ。
今日は一人の客として来ているから、安心したまえ。
・・・丁度オフでね。」

「オフ?・・ていうかなんでそんな格好してんだよ!」
一護が突っ込むのも無理は無い。
惣さまが着ているのは黒の軍服。しかもナチス風味だ。(笑)鈴音さんのところで試着してみて気に入ったらしい。(爆笑)
ちゃんと店内では帽子を取るところが流石である。


「ああこれか。単なる気分転換だよ。深い意味は無い。」
意味はなくても、ラーメン屋にナチスドイツの制服を着た男が座っていれば、普通大問題だろう。

「それよりも・・私に料理を出してくれないのかい?
もしかして・・・手が震えて料理できないのかな?」

「誰が!!」
意気込むのは恋次だ。斬りかからん勢いでにらみつけている。
「先輩!!俺に出させてください。」
「・・・悪いが、阿散井くん。私は従業員ごとき君が作ったものは食べたくないんだ。店主の檜佐木君にお願いしたいね。・・いいかな?檜佐木君。」

「・・いいでしょう。何を召し上がられますか?」
「この店で一番旨いものを。」
「何でも旨いですよ。」
「・・残念だね。その回答ではこの店が旨くないと言っている様なものだよ?
名店には必ず誇れる一品があるものだ。
・・・どうやら私が足を運ぶ事はなかったようだね。」
席を立とうとする惣さま。

アンタは海原雄山かい!!(笑)

「待ってください。」
呼び止める修兵!!肩越しに振り返る惣さま。

「・・・何かな?」
「チャーシュー麺を食べていってください。」
「フッ。いいだろう。」

再びカウンターの席に座る惣さま。当然ここは足を組んでいる(笑)。
実に優雅なのだが、惣さまここはラーメン屋ですから!!

程なく出されたひとつのラーメン。
・・・この一杯に修兵の料理人の意地がかかっている。

「・・・チャーシューは、炭火で焼いているようだね。
この香りは、・・桜のチップを使っているのかな?」

惣さま、いつから料理評論家に?!!(笑)

「麺は自家製で作らせているようだね。スープは・・・豚骨だが・・・魚介も入っているようだね・・・。」

しかし惣さま、麺を一口、スープを一口、チャーシューを一口食べただけで席を立ってしまいました。
リアクションなしかよ!!←それは某パンアニメ(終わっちゃいましたね)

「・・支払いを頼もうか。」
殆どラーメンは残った状態だ。これは一体・・・。
「・・・お口には合いませんでしたか?」
悔しげに聞く修兵、

「・・そうだね。それなりに旨かったよ。

欲を言えば、麺はもう少し太い方がスープと絡みがいいと思うし、スープは鰹節の量をもっと増やした方が味に深みが出るだろう。それにチャーシューだが・・・(云々かんぬん)」



・・・只今、惣さまの『美味しいラーメンの作り方』講座、オンステージ中ですのでもう少々お待ちください(笑)。

「それに醤油のことだが・・・(云々かんぬん)」


一度オンステージに入ると長いのでもう少々お待ちください。(爆笑)
あ、終わったようです。

「・・・私が思ったのはそれくらいだ。では失礼する。
「断崖」の諸君・・・楽しかったよ。」

帽子をかぶり出て行く惣さま。チクショウ!後ろ姿がカッコいいぜ!!
注)暴れん坊ビジョンです。


呆然と後ろ姿を見送る三人・・・。
一言、一護がポツリと言った。

「・・あのオッサン・・・話長げえな・・・。」

・・惣さま、ステージタイムは短めでお願いします・・。


そして修兵も一言。
「・・・あのプラプラした前髪・・・。いつかぜってえ俺が斬ってやる・・・。」

ヒマなんだよ、修兵・・・。惣さまも・・。




なんちゃって。

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