シンデレラ(BLEACHバージョン)

まずは配役発表から

シンデレラ 吉良イヅル
王子  ひみつ

イジワルな姉1 綾瀬川弓親
イジワルな姉2 市丸ギン
イジワルな継母 涅マユリ
王様 藍染惣右介
女王 卯ノ花烈

魔法使い 草鹿やちる

脚本 伊勢七緒
演出 涅マユリ
衣装 石田雨竜
音響 東仙要
監督 浦原喜助

一護 「・・すげえ配役だな。主役のやつ、大丈夫なのか?」
喜助 「いやあ、一応今日カウンセラー兼で卯ノ花サンに来てもらってるんですけどね?保険っス。」
一護「そんなにひどいのか?イジワルな姉たちは。」
喜助 「うーん、張り切ってますからねえ。」


一抹の不安を抱えつつ、それではどうぞ。

昔昔、あるところに心の優しく美しい女の子とその父親が暮らしておりました。母親を早くに亡くしたため、女の子を不憫に思った父親は新しくお母さんを迎えることにしました。
継母には二人の姉がいて、気難しい性格をしておりました。
ところが、継母を迎えた直後女の子の父親は病にかかり、死んでしまったのです。

それから継母と二人の姉たちの態度は一変、女の子に対し厳しくあたるようになり、ついには家事などまるで召使のように女の子を扱うようになったのでした。
ついには名前も「シンデレラ」という灰かぶり娘という意味の名にかえてしまいました。

シンデレラは来る日も来る日も継母や姉たちにいじめられて過ごしておりました。しかし、彼女の美しい心と姿は何一つ変わることはありませんでした。

そんなある日、お城のほうで盛大な舞踏会が開かれることとなりました。
王子様に早く結婚させたいと思ったいた王様が、国中の年頃の女性を招いてその中から王子に自分のお嫁さんを選ばせようとしたのです。

国中の年頃の娘を抱えた家庭では、大変な騒ぎとなりました。
当然、シンデレラの家でもこの決定が発表された時から、屋敷中の箪笥という箪笥をひっくり返してどのドレスを着ていくのか相談する毎日でした。

「ねえ、ギン姉様。僕のこのドレス、この美しい僕にふさわしいと思いませんか?」
「なんでもええんとちゃいますのん?どうせ何を着てもそんな変わらへんのやから。それより、ボクは何色でまとめようかなあ。髪が銀やさかい、どうせなら上品に仕上げませんと。」
「君たち。新しいアクセサリーを開発したヨ。このネックレスは、ここの部分を押すと光を放つ仕掛けになっていてネ?それからこっちのイヤリングは・・・」

そこへ・・・
「あの・・お継母様。」
「何だネ?君は。言いつけておいた仕事は終わったのかネ?」
「はい・・。あの、お城の舞踏会には僕も連れて行って下さるのでしょうか・・。」
「ふん、何をいっているんだ?君は!!君みたいな灰かぶりの分際でこの美しい僕と一緒に舞踏会に行くだなんて!」
(お〜、弓親ここぞとばかりに上役のイヅルをいびっております!)
「しかし!お城からの通達は、年頃の娘は全て参加すべしと!」
「まだ、そんなことを言っているのか君は!」
「まあまあ、弓親。通達は通達やし。そうやなあ、ボクらが指示する仕事を全部片付けられたら、連れて行ってあげてもええんとちゃう?そやろ?マユリ母様。」
「フン・・・いいだろう。その代わり少しでも仕事をおろそかにするようだと・・・・解剖するヨ?」

「カット〜!!!」
「なんだイ?せっかく気持ちよく演技してたのニ。前十二番隊長だからって邪魔しないでもらいたいネ。」
「邪魔はするつもりはありませんが、台詞が間違ってますよん?解剖じゃなくって、『連れていかないからネ』っス。」
「それくらいのアドリブ許して欲しいネ。」

さて、それからシンデレラは必死で仕事をしました。
そして、舞踏会当日。
「君は連れて行かないヨ。」
「ど、どうしてですか?仕事はちゃんとやりました!なのに何故?」
「ふん、君はそんな格好でこの美しい僕と一緒に馬車に乗るつもりか?冗談じゃない!」
「イヅル、じゃないシンデレラ。・・・連れてったろか?ドレスもボクのを貸してやってもええで?」
「ほ、本当ですか?市丸隊長、じゃないギン姉さま!!」
「連れて行って欲しいやろ?」
「はい!」
「・・・だったら・・ボクの靴舐め?」
「は?」

「カット〜〜〜!!市丸サン、それじゃ放映禁止ですよん?」
「なんや、これくらいもあかんの?困ったもんやねえ。」

「じゃ、やりなおしやね。連れてって欲しいやろ・・・?」
「は、はい!!」
「・・・・嘘。」
「そ、そんな・・・」
「大人しゅう、待っとり。」

そうして、継母と二人の姉はシンデレラを家に残して舞踏会に行ってしまったのでした。
そして後に残されたシンデレラは・・・
「な、なぜ僕を連れて行ってくださらないのですか!!」
一人悲嘆にくれるのでありました。
ああ、イヅル!!こんなところでも置いてけぼりなのか!!哀れなり

シンデレラはついにお城へ連れて行ってはくれませんでした。
あまりの悲しみに打ちひしがれていたその時です。

「あ〜〜〜!!やっと見つけた〜〜!!剣ちゃ〜ん!!この人だよね、シンデレラって!」
「まったく・・・結局俺のカンで来たほうが早かったじゃねえか。」
「あ、あなたたちは・・?」
「あ、あたし?あたしは魔法使い〜。シンディー(シンデレラのことらしい)を助けるために来たんだけど、途中で道に迷っちゃって〜、てへ、遅くなっちゃった。」
「俺はそのお付だ。こいつ一人じゃ何時まで経っても、辿りつけねえからな。」
「じゃ、さっそくいくよ〜。きれいなドレスになあれ!!」
「・・・・・・。」
「やちる・・・ふんどし一丁で舞踏会はさすがにまずいんじゃねぇか?」
「あれ〜?おかしいなあ。ドレスになあれ!!」
「・・・・・。やちるさん・・・これ俗に言うメイド服ってやつじゃ・・」
「おかしいなあ〜。ドレスになあれ!!」
「ひ〜〜。こんどはバレリーナ?」
・・・・・・中略(笑)。。

さて、こうしてシンデレラは素晴らしいドレスを着たレディーへと変身したのでした。
「おい、石田」
「何だ。黒崎」
「あれ、お前が全部作ったのか?」
「当然だ。白を基調として最高級の布地を使っている。あえてシンプルに仕上げることで上品さを強調したつもりだが。」
「それはいいんだけどよ。なんでクインシーマークがついてるんだ?」
「・・・?基本だろう?何か問題があるのか?」
「いや・・・、死神にクインシーマークの服を着させるってのは・・・」
「衣装担当は僕だ。文句は言わせない。」
「なんか、こういうときは異様に強気だな、お前」

「よし、これでオッケ〜!!。完璧!!あ、でも12時になる前に帰ってね。でないと魔法が解けて元のふんどし1丁に戻っちゃうからね〜?」
「元の姿はふんどしじゃありません!!設定変更してください!!」
「それじゃ、面白く無いじゃん。さ〜て、お城へ急がなきゃ〜。じゃ、夜りん、よろしくね〜?」
「うむ、わしに任せておけ。」
「あ、あなたは!!瞬神夜一?!!」
「わしが馬の役での。では行くぞ?」
「な、なんでお姫様抱っこなんですか?!!」
「おぬしは今お姫様であろうが。何を言っておる。」
さて、シンデレラを乗せた馬は瞬歩でお城への道をひた走るのでありました。

さて、お城に着いたシンデレラ。お城では既に舞踏会が始まっていました。

「王子はまだ心に留まった姫がいないようだね。卯ノ花女王。」
「そのようですね、藍染王」
「まったく。王子にも困ったものだ。早く結婚して僕を安心させてもらいたいんだが。」
「人の心というものはそう簡単にはいきませんよ。」
「これでは埒が明かないな。・・・・仕方ない。」
というや、王様はかぶっていた王冠を外すと髪をザッと上げイメージチェンジ!!きた〜〜〜!!オールバック!!!
「ホホホ。イメチェンなさりたいなら、初めからなされば宜しいのに、王さまったら。」
「これからは私が指揮を取る。王子を引っ張り出して女たちを回らせろ。命令だ。」(ああ〜、急に高圧的〜)

さて、王様に無理やり引っ張り出された王子様。
入ってきたばかりのシンデレラに一目見て心を奪われてしまいます。(笑)

「そこの姫君。」
「朽木隊長!やはりあなたが王子役でしたか!」
「いや、違う。私は王子のお付という役だ」
「え?・・では王子は何処に?」
「ここにいる。」
「え?誰もいませんが。」
「何処見てるんだ、てめえ。ここだここ。」
シンデレラが目線を下に下げると・・・
「日番谷隊長?!!」
「俺が王子なんだとよ。」
「え〜〜〜〜?」


「おい、浦原さん。」
「なんすか?黒崎サン」
「ちょっと背のバランスが悪いんじゃねえのか?」
「何言ってるんスか?ゲームボーイアドバンスのHP見てませんね?ダントツの人気NO.1なんですよ?彼。王子には彼以上の適任はいないじゃありませんか。」
「・・・要するにいじめな訳か。」

「やあ、王子。まだ踊っていなかったのか?」
「藍染、てめえ。」
「呼び捨てはよくないな。仮にも私は王だ。さあ、ワルツだ。シンデレラと踊りたまえ。・・・音楽だ。始めろ。」

身長138センチの王子と173センチのシンデレラのワルツが始まりました。

「あ〜。なんか、昔の漫画でこんなのなかったか?え〜と、かぼちゃワインとかいうやつ。」
「いや〜、懐かしいっスね〜。でも今回の身長差はその比じゃないっスよ?」
「やっぱり、いじめか。」

さて、楽しい時間はあっという間に過ぎ、12時の鐘がなり始めました。
シンデレラは引き止める王子様をかわし、大急ぎでお城を出ようとします。
しかし、王子の従者が突然シンデレラの前に現れました。

「逃がさぬ。ここで止めるのも従者の仕事だ。」
「朽木隊長!!瞬歩でわざわざ追いかけないでください!!」
「鬼ごとの基本は瞬歩だ。私はそう教わった。」
「それ、絶対違います!!」

「おい朽木!そこで逃がさんと物語がすすまねえだろうが!」
「それは王子としての命令か?日番谷。」
「なんでもいいから逃がせ!てめえはそいつのふんどしなんぞが見てえのか?俺はもうご免だ!!」

かくして、シンデレラはからくも家にたどり着いたのでした。
片方のガラスの靴を残して。

さて、お城では靴の主を探しての大捜索隊が編成されます。
靴にぴったりと合う人を王子の妃として迎えるというものでした。

「靴に合うやつなんていくらでもいるだろ?」
「フン。私の技術を嘗めないで欲しいネ。あれは、一定霊圧が無い者にたいしては例えサイズが合ったとしても履けない様に作ってある。本当は静脈認証システムをつけるつもりだったんだが、脚本担当に反対されてネ。」

さて、その一定霊圧とは副隊長以上。
さて、ここで靴を試した人たちを紹介しましょう。

阿散井恋次(身長188センチ) 靴が小さくて合わず。
市丸ギン(身長185センチ)  同上。
更木剣八 (身長202センチ) 同上。
京楽春水 (身長192センチ) 同上。
浮竹十四朗 (身長187センチ) 病欠。
砕蜂   (身長150センチ) 靴が大きくて合わず。
綾瀬川弓親  霊圧不足にて測定不能。
駒村左陣(身長235センチ) 「その靴がわしに合うと思うのか?このわしに。」測定するまでもなし。

「・・・なあ。」
「なんです?黒崎サン」
「なんででけえ奴ばっかそろえてるんだ?」
「砕蜂さんもいるでしょ?ホントに靴が合っても困りますしね。」
「これじゃ、王子も嫁さんは貰えねえだろうな〜。」

だれも靴に合う人はいませんでした。そんな中。
「あ、あの。僕も試しても宜しいでしょうか。」
「何を言っているんだ君は!君なんかが合うわけ無いじゃないか!!大体前から僕は気に入らなかったんだ!副隊長のくせに、この美しい僕より色が白いし!衣装担当に聞いたが、この僕よりウエストが細いなんて!!絶対許せない!!」(私怨?)

ともあれ、シンデレラは靴を試します。そして見事にぴったりだったのでした。
「あの、金髪はシンデレラやったんやねえ。こら一本取られてまいましたな。」(・・・・知ってたくせに)

そんな中。
「お、わしもこの靴合うたぞ?」
「え?」
見た先には・・・ガラスの靴を履いた山本総隊長がにっこり微笑んでおられました。
「確か、靴の合うた者と結婚するのであったな。のう、日番谷?これでわしを嫁にもろうてくれるのか?」
「総隊長・・からかわないでください。どこに禿で顎鬚たらしたシンデレラがいるんですか。」
「よいではないか。けちじゃの、日番谷は」


かくしてシンデレラは、城へ迎えられ何時までも幸せに暮らしたのでありました。
おしまい。

「総隊長から靴に対して指示があったのはこの事だったのね。総隊長もお茶目でらっしゃる。」
「七緒ちゃ〜ん。脚本よかったよ〜〜〜?僕感動して涙が出ちゃった〜!!」
「嘘おっしゃい。酒ばかり呑んでらしたくせに。」

「あ、東仙サン。音響お疲れ様でした。おかげて、余計な音は全て排除できましたよん?すいませんね、わざわざ卍解使わせて。」
「いや・・・面白い使い方でした。舞台以外を卍解の下に置くなどやったことがなかったですから。」

なんちゃって。


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