誕生に祝福を

・・・9月10日。
「あの人」の誕生日だ。


・・・「あの人」は賑やかにこの日を過ごされる事を好まれた。


この日だけは、三番隊をあげて盛大な宴を開いていた。


宴に呼ばれるのは他の隊の人たちも多い。

・・実際に来る人たちは・・「あの人」の同期や・・僕の同期や関係者たちが多かった。


大勢の人に囲まれて、楽しそうにされる「あの人」・・。


そして、それをみて僕も楽しかったように思う。

ご自分の誕生日なのに、「あの人」は実に気さくに酌をして回っていた。
・・当然、僕にも。


「イヅル。呑んでる?あかんやん、そんな如何にも素面です〜いうような顔してたら。

ほら、呑み?ボクが注いであげるから。

ええ?後のことや心配せえへんでエエよ。なるようになるし。

ホラ、呑み?おお〜〜!お見事!
流石はボクの副官や!

あ!そっちで暴れてるんは乱菊!
さすが、エエ呑みっぷりやねえ。じゃんじゃん呑んでよ?

なんせボクの誕生日なんやから。」


・・・お祭り騒ぎのように大勢での宴。


でも・・そこに集まったことのある誰も・・・「あの人」が何を考えているか、知らなかった。


・・・あんなことを・・起こされるとは・・・。




今、「あの人」は虚圏にいる。


今日のこの日・・一体どう過ごされているのだろうか・・。

大勢のメノスたちに囲まれて、また宴を開いているのだろうか・・・。



それとも・・・



お一人で過ごされているのだろうか・・。



貴方はこちらでは、大逆の罪人として扱われるようになっています。



それでも、どうか言わせてください・・。



「貴方の誕生に祝福を。」



・・・そして・・・



「貴方が幸せでありますように・・。」





なんちゃって。

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