誕生日(日番谷冬獅郎)
・・・あいつの誕生日は嫌いだ。
せっかく、1歳追いついたかと思えば、また離されてしまう。
時は全ての奴に平等に働く、稀有なものだ。
どんな偉いやつだろうが、どんなちっぽけな奴だろうが、時だけは平等に働く。
・・・そう、いくら天才とか言われようが、俺にもこいつは平等だ。
あいつの誕生日が来るのを気にするなんて、ガキもいいところだがな・・・。
かといって、あいつに何か物をやったことなんてねえ。
・・・・気持ちを物で表すなんていうのは、俺の性に合わねえ・・。
・・・・人の気持ちなんて、物に置き換えられるもんじゃ・・・ねえだろ?
「・・・おめでとう。誕生日だろ?」
いつもこう言うだけだ。
・・・誕生日は嫌いだ。
でも、こう言った時の、あいつのはにかんだ笑顔は嫌いじゃねえ。
・・おめでとう。
・・いい年になればいいな。
・・おめでとう。
・・モモンガ。
なんちゃって。