帝王の副官(市丸ギン)

キミ・・・『副官』て言う言葉知ってる?

まあ、大体の人は聞いた事があるやろうけど、具体的に何をするんかは知らん人のほうが多いんちゃうかなあ。


ホンマは司令官とか隊長を助けて、事務の整理や監督をする人のことなんやで?
ま、言うたら、隊長が事務処理なんかをせずに、本業に精を出せるように、裏方をやってあげる人っちゅう訳や。


ちなみにボクは藍染隊長の副官や。
ほな、事務処理ばっかりしよったんかやて?
そんなにせえへんよ。あの人は事務処理を別に嫌らってなかったし。
そんなことより、あの人の考えてる事を読んで、先回りしてサポートして欲しいタイプやしねえ。

あの人は不思議なもんで、周りの人を心酔させてしまう。
「この人のためならなんでもする」、そんな気にさせてしまうみたいや。
エエ人の皮被ってた時もそうやったし、今もそう。
やってはることは正反対なんやけどねえ。

・・・ま、こういうのをカリスマいうんやろうなあ。


ボク?
ボクも当然藍染隊長の為に働くで?そら真面目に働かせてもろてます。
あのお人が天に立てるように。そら副官やし、当然やろ?

でも、そこに心酔しとったらアカンのや。

ボクの役目はあの人の外部監査の役目やし。
仲間にいながら、外部の目を持ち続ける事。
これがボクの重要な役目でもあるしなあ。


・・死神も・・・ホロウも・・・すべてを超越した存在。
それがあの人の目的や。

面ろいやろ?こんなん考えついても、実際実行できる人や、おらへんもん。
普通の生活送ったところで、こんな面白いことや絶対ないで?

でも、おもろい事をしよう思たら、それ相応の危険がある。代償も払わなあかんのや。

それでも退屈するよりはボクはええ。
あの人が、ボクにとって面白い存在である限りボクはあの人について行くつもりや。


・・・でも虚圏に来て、藍染隊長はちょっと意地悪になったなあ。
部下で遊ぶ癖がついてしもた。
・・ま、今までにもあったけど。


破面を見てたら面白いわ。
皆が藍染隊長の為に、必死や。
健気なもんやねえ。
何時でも命捨てますみたいな顔してるやん。


東仙もあの人のためなら命かけられるやろなあ。
見事なまでの心酔っぷりや。


藍染隊長が死にそうになったら、皆が喜んで命張るんやろなあ。

ボク?ボクは張らへんよ。
命張るんは下っ端の役目やもん。

・・・・ボクの役目はそれやない。

ボクの役目はあの人が天に立つ存在であり続けられるよう補佐することや。


・・・・副官が隊長より先に死ななイカンて誰が決めたん?



あの人がそれにふさわしくなくなってもうたら、ボクがあの人に引導を渡す。


ボクはあの人より先には死なんよ。
あの人庇って死ぬんは下っ端の役目や。

ボクはあの人がみっともない格好を晒すようになってまう前に、殺してあげないかん。

藍染隊長は、死ぬまで天に立ってた人でないと。

地べたに沈んだ姿や誰にも見せたらアカンやろ?




ボクは藍染隊長の副官や。
天に立つ補佐をするんが仕事やねん。
補佐いうんは、天に立つまでの事だけやないんやで?


・・・『その後』のことまでやるんが、補佐言うんや。



「あの人の『その後』の姿を誰にも見せんようにする事。」




それがボクの役目なんやで?









なんちゃって。

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