吾輩は猫である(四楓院 夜一)

吾輩は猫である。
名前はまだ無い。・・・嘘じゃ。四楓院 夜一じゃ。
通称は「夜一さん」なぞと呼ばれておる。

何処で生まれたかというと、ここ現世ではなく、ソウルソサエティというところで生まれておる。
故あって、こちらの世界に渡ってきた際にこの姿となった。

今はこのような姿をしておるが、あちらの世界では四大貴族といわれる貴族の当主をしておっての?
おまけに隠密機動総司令官と第一分隊「刑軍」総括軍団長なんぞを兼任しておったものだから、流石に追跡の手はちと厳しい。
それでネコになったのじゃ。
どうじゃ、ネコになったとは誰も思うまい?

わしが、拠点としておるのは駄菓子屋じゃが、ほとんどここへは寄り付かぬ。
なんでもここの店主。子供に駄菓子を売りながら、裏では死神という特殊職業に就く者に、得体の知れぬものを売りつけるという、人間の中で一番獰悪な種族なのじゃ。

ここへわざわざ来なくとも、わしを待っている家が多くてのう。
ほれ、この自慢のしっぽで足なり、顔なりを一撫でしてやろうものなら、大体の人間はイチコロじゃ。
後はこのビロードのような黒い毛並みの体をすりつけて、ニャ〜と可愛くないてやれば別宅が出来るという寸法じゃ。
フフフ。浅いものじゃのう、人間とは。

こうして、別宅を増やし、わしの好物を出してくれる家を厳選していく。
あまり、たくさんも行けぬのでの?
さあ、ミルクじゃ!ミルクをよこすのニャ〜〜〜。
・・・いかん。
100年近くもネコをやっておると心までネコになりそうじゃ。

ネコになるまでは、殺伐とした生活を送っておったからのう。
自由気ままな今の生活は悪くないものじゃ。

別宅を増やしたり、それまでボスネコ然としていたアホタレドラネコを叩きのめして、新ボスになってみたり、実に平和じゃ。

しかし、それももうそろそろ終いのようじゃ。
時が、動き出すのが分かる。

久しぶりにあやつの顔でも見に行くかの?
「あ〜!夜一さんじゃないっスか!お帰りなさ〜〜い!!」
何を気安く、抱き上げておるのじゃ!喜助!!
「たかいたかーい」ってわしは赤子ではないぞ!ネコじゃ!!
フ〜〜〜ッ!!・・・・って本当はネコでもないがの?

こやつとは旧い付き合いじゃ。
お互い、ひよっ子だった頃からのな。
力がありすぎて、鍛錬をする相手を探しておるうちに出おうたのじゃ。
その頃より、ライバルでもあり気心の知れた友でもある。
あの頃、二人でソウルソサエティを脱走するハメになるとは思わなかったのう、喜助よ。

・・・ここへ居つかぬのは、二人がそろうと発見される可能性もあるからじゃ。
時が来るまでは知られるわけにはいかぬのでの?

さあ、久しぶりにまた二人で暴れるか。
その前に喜助よ。

さあ、ミルクじゃ!ミルクをよこすのニャ〜〜〜!!

・・・・・。・・・少しリハビリが必要かのう・・。

あ、喜助よ、ネコ缶もな?
違う!!ささ身ではない!マグロのほうじゃ!!そうそっち!!


・・・・・大分リハビリが必要かのう・・。


なんちゃって。

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