若き竜の仕留め方(市丸ギン)
ボク、苛めるん好きやろ?
でも、何でもかんでも苛めたら好きいう訳やないで?
流石にちっちゃい子供を苛めて喜ぶ趣味はないし。
ま、からかうんなら別やけど。
ちっちゃい子供までさすがに、食指が動かんわ。大体面白ないし。
でも・・・その子供がごっつう強うて、ごっつう生意気やったら・・話は別やけど。
あんまりやったことないんやけど・・そんな子供にはまた今までとは別の苛め方が楽しめるんやで?
・・それがまた・・面白うて・・たまらんわ。
日番谷冬獅郎。
何時やったかなあ、最初に会うたんは。
今度十番隊の隊長になる言うんで、会うてみたんやけど・・エライちっちゃい子や。ま、今でもやけど。
まるきりガキや。
「こらまた可愛らしい隊長さんやねえ。三番隊隊長の、市丸ギンや、よろしゅうな。ボク。」
ついつい、子供に挨拶するように挨拶してもうたら。エライ睨んできよったわ。
おお怖わ。
嘘嘘、そんな大きな目で睨んできよっても、怖わ無いで?そんな眉に皺よせたかて、所詮は子供や。怖わないわ。
そしたら、向こうもこっちにかましてきよった。
「・・十番隊隊長、日番谷冬獅郎だ。宜しくな、市丸。」
・・聞いた?市丸て呼び捨ておったわ、このガキ。
向こうは新参者でしかもガキや。
しおらしく年長者に敬意を表すどころか、いきなりタメ口ときた。
ま、この年で隊長まで上ってきた子なんやし、それくらいのホネなかったらアカンのやろうなァ。
でも、アカンで?そんなんは。
・・・苛めとうなってまうやん。
それから、ちょっと見とったら、直ぐにどんな子か分かってくる。
分別は相当なもんや。物の理解も早いし、決断も早うて正確や。
ま、隊長張るくらいなんやし、霊圧の方もそれ相応やろ。
でも・・直ぐに弱点さらしおった。
雛森ちゃんと話してるあの子見て、ピンと来たわ。
雛森ちゃんが・・あの子の弱点いうわけか。
・・・成程なァ。
雛森ちゃんも優秀やし、その上行こう思うたら隊長さんになるしかないわなァ。
でも・・やっぱガキやなあ。
そんなに無防備に弱点さらしてもうて。
ココ突いてくれ、言うてるようなもんや。
・・そんなところはやっぱりガキや。
・・・遠慮のう・・突かしてもらうで・・?日番谷冬獅郎。
あの子がボクに警戒感を覚えてるのはよう知ってる。
そして、藍染隊長の方にはべったりや。
アホやなあ、ホンマに悪いんは、藍染隊長の方なんやで?ボク。
あの子みたいなんは・・・散々こっちに注意向かせといて、ガツンと裏切られるんが、一番キクんや。
せいぜい、藍染隊長に飼い馴らされといたらエエわ。
それまでは、こっちが囮や。
せいぜいこっちに敵意むき出しにしてもらうで?
もちろん、キミの弱点の雛森ちゃんも突かせて貰うし。
・・・楽しみやなァ。
せいぜい追い詰めさせてもらうわ。
追い詰められたキミがどんな顔見せてくれるんか、楽しみやなァ。
でも、ホントの楽しみはそれやないけど。
ホントの楽しみは・・藍染隊長に裏切られたときのキミの顔や。
どんな顔するんか、ホンマに楽しみやなァ。
こっちも日々の退屈に飽き飽きや。
その時までは・・・ボクがゆっくり相手したる。
そやから・・その時はエエ顔見せてもらうで?
なァ・・日番谷冬獅郎はん?
あ、キミの持ってる斬魄刀て氷竜なんやて?
ほなキミは若竜いう訳やなァ。
エエんちゃう?カッコええやん、若竜いうたら。
でも・・・「若竜」いうんは、「未熟者」いう意味があるんやで?
・・・・キミにピッタリやろ?
なァ・・日番谷冬獅郎・・?
仕留められるまで・・せいぜい気張るんやで・・?
なんちゃって